【ソード・ワールド2.0単発リプレイ】魔法少女☆ユイ 〜街を救った魔法少女〜 前編(1/4)
それはとあるプレイヤーの一言から始まった。
「あのさ、ソドワでやりたいキャラがいるんだよね! 魔法少女に憧れてるけど魔法使えない女の子で、自分のことを魔法少女と疑ってない感じの! 誰かGMしてくれない!?」
この病的な発言から2週間。そのセッションは実現してしまった。
これは、魔法が実在するソード・ワールド2.0世界で、使えもしない魔法を使えると信じ込んだ一人の自称・魔法少女が、自分の愛の心を信じて戦った感動の物語である。
キャラクター紹介
ナレーション(以下ナレ):こんばんは
ユイ:「天の声さん、こんばんはーっ♪」
ナレ:はいそこ、天の声に話しかけない
ユイ:「てへっ」
ナレ:というわけで、魔法少女ユイ…じゃなかった、ソード・ワールド2.0セッションを開始しようと思います
ユイ:はいはーいっ♪
ポソくん:はじまりポソ!
ナレ:まずはキャラクター紹介をしておきましょう。濃いので。ユイちゃんからお願いします
魔法少女ユイ・ヒメミコ
画像はジュエルセイバーfree素材のトレース種族 :ヴァルキリー 生まれ:戦士
ステータス:器用度19 敏捷度14 筋力14
生命力17 知力10 精神力19
技能 :ファイター3 スカウト1 セージ1
エンハンサー1
冒険者レベル3 HP26 MP19
戦闘特技:ディフェンススタンス・なぎ払い
習得練技:ガゼルフット
装備 :クォータースタッフ・クロスアーマー
ユイ:「みんな、やっほーっ! わたしが噂の美少女、ユイ・ヒメミコちゃんでーすっ♪ 実はずっと一緒にいた猫のぬいぐるみのポソくんから、魔法の力をもらっちゃったの! だから今日もこの魔法の力で、世界の悪と戦ってるんだ♪ その名は魔法少女ユイ! みんな、よろしくねっ☆」
《補足:魔法少女ユイの設定》
魔法少女に憧れる女の子。いつも素敵に変身リボンを身につけており、戦う時には変身の呪文を唱えて魔法少女の可憐な衣装に切り替える。しかし肝心の魔法はからっきしだめで、悔しくて買ったクォータースタッフを鈍器として利用している。独自言語魔法少女語を生み出し、時々意味不明な発言をして周囲の大人たちを困らせている。
自分がヴァルキリーであることを8歳の時に知り、他の人と違うことで深く悩み引きこもってしまっていた。そのときに親に買い与えられたぬいぐるみ、猫のポソくんとおしゃべりをする中で、自分が魔法少女だと錯覚。さっそくそれらしい木の枝を拾って魔法少女として世界の平和を保ちに出かけたところ、野生のコボルドに遭遇。必死に杖を振るっているとこれを倒してしまい、結果として自分が魔法少女だと確信してしまった。
これ以降冒険者という呼称を嫌い、自らを魔法少女と呼ぶように周囲に強制しつつ、事実上冒険者としての仕事をこなすように。その報酬の大半が「素敵に変身リボン」の購入に充てられており、いまだに冒険者セットすら持っていない始末。
ナレ:これはサニティが必要ですね…*1
ポソくん:よろしくポソ!
ナレ:では続いてポソくんの中の人、お願いします
中の人:「俺か?」
ナレ:中の人ごついなぁ…
ポソくんの中の人
種族 :ナイトメア(人間) 生まれ:操霊術師
ステータス:器用度16 敏捷度11 筋力14
生命力17 知力23 精神力19
技能 :ライダー3 コンジャラー2 スカウト1
冒険者レベル3 HP26 MP25
戦闘特技:精密射撃・かばう
習得騎芸:騎獣強化・タンデム・HP強化
装備 :魔道バイク(+スパイクチェーン)
中の人:「俺の名は…まぁどうでもいいだろう。放浪の旅の途中で、ひょんなことからユイがポソくんだと勘違いしちまってな。放っておくわけにもいかないし、ユイには恩もある。彼女は俺が守ってみせるさ…」
ポソくん:「じゃあユイ、今日も悪を懲らしめるポソ!」
《補足:ポソくんの中の人の設定》
人間生まれのナイトメアで、名前もつけてもらえず“それ”と言われて育った。幼少期より異貌状態から元の姿に戻れず常に周囲の目にさらされる様になり、顔を隠して生活する。10歳の時に家出し、その後各地を放浪していた。
普段はフルフェイスのヘルメットで顔を隠していたが、偶然『ユイ・ヒメミコ』に素顔をみられてしまう。その時上ずった声を出してしまい、ユイはそれを『猫のポソくん』の声と勘違い。それを期に『猫のポソくん』の中の人として生きる事を決意する。ユイに対しては信仰に近い感情を抱いている。
冒険者としての実務面や、交渉、汚い仕事などをユイに見つからない様こなし、ユイが変身する時、飛び降りるバイク、照明、効果音などもこなす優秀な裏方。
ユイ:「よろしくね、ポソくん!」
ナレ:よろしくお願いしますー
オープニング:ルキスラ帝国の片隅で
ナレ:さて、今回の舞台はザルツ地方でもっとも大きな都市ルキスラです。そこにある小さな冒険者の宿《剣亭》には今日も冒険者たちがそれぞれの理由で足を運んでいます
ユイ:「この街が平和なのも、実はわたしが平和を守っているからなの!」
ポソくん:「それでも今日も困っている人がユイを待ってるポソ!」
ユイ:「よーし、ポソくん! 今日もあのお店で、困ってる人を探しましょ!」るんたった
ポソくん:「あんまりはしゃぐと転ぶポソよ〜!」
ナレ:というわけで、冒険者の宿の片隅でおよそこの場に似つかわしくない格好*2で人々に声をかける少女が一人いました
ユイ:「あなた困ってるわよね!? 困ってるって言いなさいよ! ねえほら! わたしの出番でしょ!?」
モブ:「えっ…いえ…べつに…」
ポソくん:「そんなことないポソ! 絶対困ってるポソ!!」
モブ:「いえだから…べつに…」
ユイ:「仕方ないわ…その心の中をわたしに話せる様になったらいつでも言って。力になるから」ぐっ
依頼を引き受ける
ナレ:と、そこに、バァンと扉を大慌てで打ち開いて駆け込む青年の姿!
青年:「た、たすけてくれぇい」
ポソくん:「ユイ! わかりやすく困っている人ポソ!」
ユイ:「わかってるよ、ポソくん!」そっちに向かいます
ナレ:青年はそのまま店主のところに駆け込み、事情を話し始めます
青年:「う、うちの村にボガードみたいなやつらがたくさん!」
店主:「おいおい、そういうのは先に騎士団の方にだな…」
青年:「言ったさ! でもいま主力が街を離れられないとかで…」
ユイ:「ポソくん、ボガードって言ったら…」魔物知識判定していい?
ナレ:どうぞ
魔物知識判定
ユイ:2d6+2 → (3,2)+2 → 7 成功
中の人:2d6+6 → (4,3)+6 → 13 成功
ユイ:「悪の魔女ザザスラーンの手下! わたしたちで倒さなきゃ!」
ポソくん:「ユイ! 今すぐ出動ポソ!」
冒険者:「おいおい、ひどい話だな。それで、いくら出せるんだ?」
青年:「村の蓄えが無事なら、3000Gくらいは…」
冒険者:「ああん? それだけかよ! 無理な話だ。ここにいるやつらはそれなりに名声がある。そんな安い金で動くことは…」
魔法少女ユイ! 颯爽登場!
ユイ:「そうなの、ここにいる人はみんな悪に立ち向かうことはしないの」横からぬるっと現れるよ
青年:「わっ! き、きみは…?」
ユイ:「わたし? わたしは魔法少女ユイ! よろしくねっ☆」キラリン
青年:「え? 魔法少女? それじゃあソーサラーの方ですか?」
ユイ:「そうね、強いて言えばソーサラーよ! このポソくんから魔法を授かったの!」ポソくんぬいぐるみバーン
↑ 猫のポソくん。コマンドドールで中の人に操られている。こわ…かわいい
ポソくん:「ぽそ〜」手足ピコピコ
青年:「そ、そうなんですか(混乱) それじゃあ師匠がポソさんで…ってそんな場合じゃないんです!」
ユイ:「そうね、あなたの村、蛮族に襲われたんでしょ? 急いで行きましょ!」
青年:「で、でもお金が…」
ユイ:「いいの、お金なんて気持ちだけで十分! だってわたしは…この世の悪と戦う、魔法少女なんだから!」
ユイ:「そうと決まったら準備をして来なくっちゃ。村はどっちの方? 門のところで落ち合いましょ」
青年:「西門の方です! よろしくお願いします!」
裏方のお仕事
ナレ:と、ユイがポソくん人形を持って走り去ると、そこには青年とフルフェイスヘルメットをかぶった中の人が残ります
中の人:「…ボガードが相手か。相手の数とかはわかってんのか?」
青年:「えっ…とたしか赤い帽子をかぶったのが3体と…ボガードなのかな? 何か大きなのが1体。全部で4体だったはずですよ」
中の人:詳しい特徴を聞いて魔物知識判定しておけます?
ナレ:判定どうぞ
魔物知識判定
中の人:2d6+6 → (1,3)+6 → 10 成功
ナレ:あなたはその特徴からレッサーオーガを想像することができました
中の人:「っち、他も混ざってるのか。まあいい。報酬の件だが、3000Gで間違いないだろうな?」
青年:「は、はい…」
中の人:「おーけい、了解だボス。いくぜ、ユイが待ってる」
魔法少女ユイ、出動!
ナレ:さて西門にやってきたユイ! そこには青年の馬とポソくんの中の人のバイクが待っています
ユイ:「ポソくん! 村まで一直線! マジカルライド!」ポソくんと一緒にバイクの後ろに乗ります
ポソくん:「世界平和のために今日も戦うポソ!」
ナレ:こうしてユイは村の危機を救うために、存在を認識していない中の人の運転するバイクに乗って村へ急ぐのでした
ユイちゃんの活躍は、まだまだつづくよ!