【ソード・ワールド2.0リプレイ】目覚めの鐘【英雄志望と二つの剣4-2】
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本格的なここまでのあらすじ!!!
フィネア地方は蛮族の猛反攻によって他の人類から完全に孤立させられた土地だ。それでも人類は必死の抵抗を続け、最前線に要塞都市ダインハイトを建設。騎士団を中心にした軍権国家レシトリア帝国は国防の要となる東と北、二つの前線の指揮権を独立させ信託統治領を設ける。要塞都市ダインハイトを首都とするダインハイト公国もこの一つだ。
それぞれの理由から要塞都市ダインハイトを訪れた冒険者たち。冒険の仲間に騎士団配属予定のレイラ・フェルンホルムを加えたこと、また、機運から公王の息子フレデリック・ヴェルチの依頼を受けたことで公国の内情を知ることとなってしまう。どうやらこの要塞都市を攻略しようとする蛮族の計画が進行中だというのだ。しかもその計画にこの要塞の事実上のトップ、騎士団長ノイルが関わっている!
この要塞が陥落すれば、それはすなわちフィネアに住む人類全ての生命に関わる。案じる冒険者たちだが、まだ優れた力を持たない彼らにはどうすることもできない。もしもこの地に伝わる開拓の魔剣クラウ・ソラスが手に入れば、いかなる蛮族が到来しようともそれを薙ぎはらうことができるだろう。冒険者たちは果たして人類の英雄となることができるのだろうか?
英雄志望と二つの剣、第1シーズンの山場がここから始まる。
GM:ではレイラの個別オープニングです。クリスティンの執務室をノックするところから始めましょう
レイラ:「失礼します! レイラ・フェルンホルム、参りました!」
GM:しかし中から応答がありません
レイラ:「あれ? 留守ですか…仕方ないですね」時計を見ながらドアの前で待ちます
GM:クリスティンにしては珍しいことに、しばらく待ってみても彼女が姿を現しません
レイラ:「…」これって中はさすがに覗けませんよね?
GM:扉を殴ればレイラならいけるんじゃないですか?
レイラ:いえ、さすがにそれはやめておきます
レイラ:「…」
GM:10分ほど経過します
アーク:突入しちゃおうよ!
ノイ:いや、レイラは無理だと思うよ
サラー:…これって、嫌な予感の上に嫌な予感が重なってきたわ
カシウス:どうしたサラー?
サラー:今回たぶん、アタシたちの選択次第で死ぬNPCが増えるわ
カシウス:最悪死ぬPCも増える?
ノイ:それはまずい
サラー:その場合カシウスくんとレイラちゃんね。気をつけなさい
カシウス:う、うむ
レイラ:何かできることはないんですか!
GM:では、さらに5分が経過したところで、イベントを発生させましょう
クリスティン・ヴェルチの負傷
GM:廊下の反対側から嫌に遅い歩調の鎧の音が聞こえ、レイラが振り返ると
GM:脇腹をおさえたクリスティンが廊下の先に倒れこむようにして姿を現します
レイラ:「!?」名前を呼びそうになるのをこらえて駆け寄ります
ノイ:え? クリスティンが怪我してるの?
サラー:そうよ、ダインハイトはね…もうすでに
ノイ:さすがに危ないんじゃ…
サラー:危ない? 違うわ。 詰んでるのよ
レイラ:肩を支えます!
クリスティン:「すまないフェルンホルム…醜態を…くっ」
サラー:第1分隊が蛮族と結んでいて城門警備をやっているというなら、防衛線であるはずの城門は…
ノイ:機能してない…
サラー:そんな第1分隊にとって一番厄介なのが…
カシウス:都市防衛訓練をしていたクリスティンの部隊!
レイラ:「大丈夫ですか!? とりあえず手当を!」
クリスティン:「フェルンホルム、クーデターだ。しかしわからん…わたしには…奴の考えがわからん…」
レイラ:「クーデター!? まさか! とにかく中へ! 私が治療します!」
GM:肩を貸しながらクリスティンを執務室まで運び入れましょう
レイラ:アースヒール使っていいですか?
GM:もちろん
レイラ:アースヒール行使 → 成功 → クリスティンのHPが9回復
状況は絶望的
ノイ:ああそうだ、カミラもまだ北に…
カシウス:つまりいまここには実力者がいない
サラー:もし第3分隊や第4分隊が敵に回っているなら、敵は東だけじゃないわ
アーク:そうだね
サラー:西以外の全城門から来るわよ
ノイ:それされたらいくらなんでもどうしようもない…
サラー:その通りよ。ダインハイトは、今日、蛮族の反抗作戦により失われる
ノイ:でもそんな大規模なことが起きたら、わたしたちにできることはないよ
カシウス:それでもなんとかするんだろ!
サラー:え? アタシの推測が確かなら、本当にできることなんてないわよ?
カシウス:えぇぇぇ
クリスティン:「すまないな…だがこれで問題ない…」治療を受けると机の裏に隠してあったポーションで追加回復します
レイラ:「いったいなにが!?」
クリスティン:「まったく最悪の状況だ。しかし一縷の望みはある。私が生き延びた。…父上は救えなかったがな」
レイラ:「まさか公王陛下が!? ではヴェルチ殿もここにいては危ないのでは!?」
カシウス:ああ、父上…父上ぇぇぇぇぇ!
サラー:…チェックメイトね
ノイ:いや、でも…そんな…
クリスティン:「その通りだ。だが私がここに来なければ、一つの作戦が使えなくなるところだった」
レイラ:ふーっと息を吐いて「私にお手伝いできることが?」必死に冷静を心がけながら
クリスティン:「フェルンホルム。もう一度冒険者になれとは言わない。私の部下として、命令を与える…例の外出好きが幸いして、偶然にも公王府を離れていたお前も良く知る愚か者がいる」
アーク:うん…?
カシウス:坊ちゃん…
クリスティン:「あれを保護して、帝国領…そうだな、アイラットまで脱出せよ」
レイラ:「それではヴェルチ殿が!」
レイラ:嫌です! ヴェルチ殿を見殺しにはできません!
サラー:残念だけど、そこにいるのはレイラちゃん、あなただけよ
サラー:あなたが守れるのは、あなたの拳の届く範囲。クリスティンまで届くかはあなた次第
カシウス:俺たちにはどうしようもない。まだ呑気に買い物から帰って、冒険者の宿で談笑してるんだ…
クリスティンの決意
クリスティン:「私はここを出て、直ちに我が隊の指揮をとらなければならない。なぜだかわかるか?」
レイラ:「わかる…つもりです! しかし!」
クリスティン:「私はこの国の市民を守る義務がある。それゆえ、剣をとらなければならない」
レイラ:「ヴェルチ殿! すでに公王陛下が亡くなられたというなら、クーデターは完遂されました! このうえヴェルチ殿まで敵の手に落ちれば!」
クリスティン:「そんなことはわかっている!」
レイラ:「…」
クリスティン:「私の作戦の第一防衛目標は、剣の神殿だ。つまりこれはただのクーデターではない」
レイラ:「蛮族との、共同作戦…」
クリスティン:「そして、レイラフェルンホルム。お前に託す作戦の防衛目標は、魔剣クラウ・ソラスだ」
レイラ:「魔剣!? 彼が持っているというのですか!?」
クリスティン:「いや。先日仲間から報告書をもらった通りだ。どうやら我がヴェルチ家の者が、魔剣に関わっているらしい。いまや父上が殺され、兄上もおそらく逃げられなかっただろう。私がここで戦うとすれば…」
ノイ:…これって、もしかしなくてもクリスティンが死んでフレッドを確保されたら人族の負け?
カシウス:フレッドをどうしても守らないといけなくなってる…
サラー:あの首飾りね…
アーク:フレッドがつけてた色の変わる宝石の首飾り!
サラー:最悪あれだけでも確保するわよ
レイラ:でも…でもヴェルチ殿が…
クリスティン:「最も生き残る可能性のある…いや、この言い方はよそう。一人でも多く我が家系の者を残しておかなければ、人族の反撃の機会は失われる」
レイラ:「だからこそここは一度お引きください! あなたまでいなくなった後、フレデリック殿はどうなりますか!」
クリスティン:「これは命令だと言っただろうレイラ・フェルンホルム! 私の知る限りにおいて最善の手段だ」
クリスティン:「私たち第2分隊は少しでも市民が退避する時間を稼ぐ。その市民たちが! 明日の希望となり、人族の未来をつなぐ!」
レイラ:ヴェルチ殿…
サラー:クリスティンいいわー 有能とは言えないけど、覚悟はあるからね
ノイ:生き方が綺麗だよね
カシウス:覚悟と意思はダインハイト随一…あんたは立派な騎士だ!
レイラ:「……レイラ・フェルンホルム! ご命令謹んでお受けいたします! ヴェルチ殿もご武運を!」
クリスティン:「よろしい。忘れるな! 貴様は私の部下であり、誇り高き公国騎士団第二分隊の騎士だ!」
レイラ:「はい! くれぐれもご無事で!」振り返らずに冒険者の宿に走ります
ノイ:…これほんとにシナリオ冒頭?
カシウス:クライマックスシーン
アーク:いいセッションだった!
ノイ:もう去りゆくレイラを見て、クリスティンが敵に突っ込んでおしまいでいいんじゃないかな
カシウス:俺たちの冒険はこれからだ!
依頼の発表
GM:というわけで、みなさん今回の依頼の発表です
第4シナリオ 目覚めの鐘
依頼:人族の希望を明日につなげ!
依頼者:クリスティン・ヴェルチ
報酬:2000G/人
カシウス:燃えてきた!
ノイ:わたしも燃えるね
アーク:僕は依頼なんてなくてもフレッドを守るけどね! 友達だもん!
サラー:…ノイちゃん、あなた2度も故郷を蛮族に滅ぼされるのね
ノイ:うん、そうなりそう
サラー:ただでさえ蛮族に恨み深かったのに…
ノイ:蛮族は殺す。そのために手段は問わない
サラー:あなたも修羅になるわね…この世は過酷ね
アーク:過酷なのは鬼畜眼鏡の頭の中だけど(ボソリ
GM:なおクリスティンはすでに次期公王候補として実権掌握が約束されたノイルがクーデターをやる意味がわかっていません
サラー:それは仕方ないわよ。少なくとも、まともな人族の考えることじゃないわ
ノイ:一体何を考えてるの?
サラー:なんと言って表現すればいいのかわからないほどおぞましいことよ
アーク:だね、だって城門を守ってるのはノイルの第1分隊。昨日までは守る気が無かったけど、今日からは逃がす気がないに変わった
サラー:そうね、城門って外からの敵を通さないけど
カシウス:内側からの敵も出さない…
ノイ:ダインハイト市民が、全員生け捕りにされてるってこと…!?
レイラ:…フレデリック殿だけでも、意地で逃がしましょう。
サラー:それに、市民も可能な限りね。それがクリスティン様の守りたかったものでしょう?
レイラ:そうですね! 急いで冒険者の宿に向かいます!!