【ボドゲ紹介】奥が深いのに難しくない!?【十二季節の魔法使い】
実に意外でした。初心者向けであっても30枚もの効果の違うカードを使い、管理するリソースも多岐にわたり、卓上に時計状の時間管理盤が設置され…これまでプレイしてきたボードゲームの中では一等複雑なゲーム…かに思われました。もしもこのゲームに対して同じような印象を抱いた方がいらっしゃれば、是非とも一度プレイしてみてください。
↓ 購入の際はカード表記が英語である点にご注意ください。2016.10.23現在、日本語版は各所のオンラインショップでも中古品でしか手に入れられない状況になっているようです。(2017.5.26追記 2017年6月中旬に日本語版の再販があるとの情報がありました。続報をお待ちください)
どう考えても日本語版が手に入らないのはおかしいというくらいに面白いこのゲーム。今回はその魅力をギュッと凝縮して、簡単なルールを添えてお送りしようと思います。
何をするゲームなの?
まとめると
魔力を集めてたくさんの魔法のアイテムと使い魔を召喚して、その合計ポイントを競うゲームです
魔力を集める?
毎ターンサイコロをたくさん*1振って、プレイヤーは一つずつ選んでいきます。そこには4種類の属性のマークの組み合わせが描かれていて、その数だけその属性の魔力を得ることができます。でも蓄えられる魔力は7つまで。召喚に魔力を使ってバランスをとりましょう。
なおサイコロは「季節」によって変わります。ここに「十二季節」と言われる理由があります。4つの季節を3年間、つまり12の季節が戦いの期間なのです。季節によって得やすい魔力が変化するなかで、プレイヤーたちの戦いが進みます。
魔法のアイテムと使い魔を召喚する?
それぞれのカードにはどの魔力をいくつ使えば呼び出すことができるか書かれています。蓄えた魔力を使って魔法のアイテムや使い魔を召喚しましょう。それぞれのカードの左肩に書かれているスコアがゲーム終了時に加点されます。
つまり一つでも多くのカードを召喚すればそれだけ有利になります。しかしそのためには「召喚レベル」を上げなければなりません。召喚レベルとはすなわち召喚できるカードの枚数制限です。これも星マークのサイコロを手にいれることで上昇させることができます。魔力ばかりを集めても召喚レベルが上がらなければ召喚ができません。これもまたバランスをとって展開していく必要があるのです。
合計ポイントを競う?
召喚することでそのカードのポイントがゲーム終了時に加点されます。しかし勝負を決めるのはそれだけではありません。カードの持っている能力などによって手に入れられる「クリスタル」はそのまま勝利点に加算されるのです。
最終的に召喚するカードの数はプレイヤーによってそこまで差が生じません。それゆえ勝敗を分かつのはこの「クリスタル」の獲得戦略なのです。それぞれのカードがもつ独自の能力をうまく組み合わせながら、効率的に召喚レベルと魔力を確保して、さらに多くのカードを召喚してクリスタルを稼いでいく、このコンビネーション戦略を作り出すのがこのゲームの要になります。
面白さのポイント
まとめると
素人でもコンビネーションが決まる気持ち良さ!
そのうえ手配に応じた戦略構築の奥深さはこの上なし!
素人でもコンビネーションが決まる?
そんな簡単なものがあるわけないじゃない、なんておっしゃるかもしれませんが…これが決まっちゃうんです。初心者向けの初期パックなら使用カードはたったの30種類です。トレーディングカードゲームのように数千の種類からコンビネーションを作るのではありません。たったの30種類のうち、初期の手札は9枚です。コンビネーションの一つくらい簡単に決まるのも納得ではありませんか?
でも9枚全てを一度に使えるわけじゃない
このゲームの面白さは、初期手札9枚を3枚ずつに分けて召喚計画を立てるというシステムによって際立たされています。4季節3年のゲーム時間があるので、4季節経過して新しい年が開始されると、あらかじめ選り分けておいた3枚のカードを受け取ることができます。
それゆえ初年に召喚したいカードと終盤に召喚したいカードとを選り分けて、ゲーム展開を思い描かなければなりません。手に入れたカードに応じた戦略設計こそ、このゲームにおける勝利の要なのです。
戦略構築の奥深さについて素人より
まだこのゲームを始めてたったの3、4日のプレイヤーが言うのもおこがましいのですが、このゲームの戦略設計の奥深さはただならぬものがあります。
様々な拡張パックまで含めれば、カードの種類は100種類を超えます。さらに「ドラフト」と呼ばれる初期手札を選択していくルールを採用すれば、より思い通りの戦略を実現しやすくなります(その分相手も強くなりますが)。
長期戦か短期戦か。相手にペナルティを与えるのか自分に有利なものを重ねるのか。どのタイミングでどのカードの能力を発動するのか。時を操るカードをどう使うのか。限られた手札とターン数の中で描ける戦略は無数にあります。一度通してプレイしてみれば、あなたも必ずその奥深さを実感できることでしょう。
細かいルール
十二季節の経過について
1年は12ヶ月に分けられます。3年間のゲームラウンドがあるので、全36ラウンド…ではありません。全員のターンが終了したときにどれだけの月日が経過するのかは、プレイヤーが誰も選ばなかったダイスにポインティングされている「・(ドット)」の数で決まります。急に3ヶ月進むこともあるので、これをも加味してダイスを選択する必要があります。
魔力の変転について
ダイスに妙な囲いが描かれているものがあります。その囲いのマークのダイスを選んだ時だけは、蓄えた魔力を自由にクリスタルに変更することができます。クリスタルは先述の通り直接勝利点になるので、召喚との都合のつく範囲でうまく利用していきましょう。
また、召喚にクリスタルを使うカードもあるので、タイミングを見てクリスタルを早期に蓄えるためにもうまく変転を活用するよう心がけるとまた戦術も広がっていくはずです。
ボーナスの使用について
また、困ったときに使えるボーナスが4種類用意されています。3回までしか使うことはできませんが、戦局を変える大きな効果があります。
- 蓄えた魔力のうち二つを選んで好きな属性の魔力に入れ替える
- 召喚レベルを1上げる
- そのターン魔力の変転ができるようになる
- カードを2つ引いて一枚を選んで手札に入れることができる
使うたびに勝利点にペナルティが課されてしまいますが、有効に使うことができればそれ以上の効果を発揮するはずです。
ボードゲームアリーナで遊べるよ!
「面白そう! でも日本語版が手に入らないんでしょ?」
そう思ったあなたに朗報です。このゲームは「ボードゲームアリーナ」で無料で遊ぶことができます。「ボードゲームアリーナ」なら世界中のプレイヤーといつでも卓を囲むことができるので、皆様気軽に参入してみてください。最後までゲームを遊ぶことさえできれば、まず失礼なプレイヤーとは考えられません。気が向いたら試合終了時に「gg」とチャット入力するだけで立派な挨拶です(Good Gameの省略表現)。
是非とも皆さまもそこで体験してみて、このゲームに対する需要がたくさんあるんだということを各所で発信してみましょう。また日本語版が追加生産されて手に入りやすくなる環境に期待しつつ…
まとめ
ルールは読んでいたら複雑に見えますが、プレイしてみたら思ったより単純です。簡単に奥深いゲームを楽しめるという点で、このゲームもすっかり私のお気に入りに加わりました。
プレイ時間は慣れないうちは30分以上かかるかもしれませんが、2人プレイならば慣れればそのくらいで1ゲームを終えることができます。なお最高プレイ人数は4人で、さすがに4人となると1時間以上のプレイ時間をみた方がいいかもしれません(展開にもよりますが)。
とにかく百聞は一見に如かず。興味を持った方は一度プレイしてみてはいかがでしょうか。
*1:プレイヤー人数+1個