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【ダブルクロス3rdリプレイ】Crumble Days オープニングフェイズ3

Scene3:世界の裏側

9月某日
バス事故発生から15分後
N市支部 画廊喫茶『ペリゴール』

 

シーン登場ダイス

 エヴァ  :1d10 → 5 (侵蝕値34 → 39)

黒沼 夏目 :1d10 → 2 (侵蝕値30 → 32)

 

 和泉からの連絡をうけ対応を迫られていたN市UGN支部。そこに思わぬ大物からの連絡が入る。フットワークの軽いことで知られる日本支部長、霧谷雄吾だ。彼が来るということは、このバス事故だけではないなんらかの事件がこの街で起こりつつあるということを意味していた。連絡から間も無く、まだエヴァが和泉に現場対応を指示している最中に、彼は姿を現した。

 

 

霧谷 雄吾 :「黒沼さん、お疲れ様です。エヴァ支部長はどちらに…?」

NPC 霧谷 雄吾(きりたに ゆうご)

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 UGN日本支部長。日本のトップであるにもかかわらず、身軽に様々な現場に顔を出している。常に丁寧な口調を崩さない姿勢には、これまで様々な難所をくぐり抜けて日本を危機から救ってきた経験に裏打ちされた自信がうかがえる。

 

黒沼 夏目 :「お嬢様から話は伺っておりました、すぐにいらっしゃいます。こちらで少々お待ちください」そう言って、応接室に案内します

霧谷 雄吾 :「すでにあなた方にも報告が届いていると思いますが、事態は深刻です。今回ばかりは、あなたも裏方ではなく表方として協力していただければと思います」

黒沼 夏目 :「そういうことでしたら、しかと承りました。詳しい話はお嬢のいらした後で…ちょうどお嬢がいらっしゃるようです」

 

 応接間に飾られている一枚の絵画“セイラムの魔女にして祖母”。そこに描かれた少女がふっと微笑むと、その表面に波紋が揺れた。絵画から細い腕が伸び…

 

 エヴァ  :妾が現れる。《壁抜け》の演出じゃ

 エヴァ  :「霧谷殿。久しいな。わざわざご足労いただき、感謝にたえぬ」

霧谷 雄吾 :「いえ、お気遣いなく。ちょうど隣の区に視察に訪れていたところで情報が入ったので、私が動いただけのことです」

 エヴァ  :「霧谷殿も相変わらず落ち着かぬ御仁じゃの。日本を背負う者としてひとところに構えておればよいのに。ナツメ、霧谷殿に珈琲と茶受けを」

黒沼 夏目 :「かしこまりました」

 

霧谷 雄吾 :「すでにお耳に入っている通り、この地区でバスが爆破される事件がおきました」

 エヴァ  :「うむ、あの阿呆から聞いておる。やはりただの事故ではないようじゃの」

 

黒沼 夏目 :「お話の途中、失礼致します」珈琲をご用意致しました。《帝王の時間》を使って、速やかに

霧谷 雄吾 :「ありがとうございます」一つ香って、一口いただいてから

 エヴァ  :「お気に召すと良いがの。話に聞けば、霧谷殿は紅茶を好むとか」

黒沼 夏目 :「左様でしたら紅茶にしましたものを」

霧谷 雄吾 :「いえ、お構いなく。続けましょう」カップを置きます

 

霧谷 雄吾 :「ワーディングエフェクトが確認され、さらに一人の青年が保護されました。名は百目鬼天命。爆発炎上したバスの中から無傷で脱出したそうですね。これはつまり…」

 エヴァ  :「目覚めし者か。また世に一人“裏切り者(ダブルクロス)”が生まれ落ちたということかの」

霧谷 雄吾 :「そういうことになります。現在UGN病院で検査を行っています」

 エヴァ  :「百目鬼家か。江戸時代から続く名家とあっては、工作もちと面倒になりそうじゃの」

 

霧谷 雄吾 :「しかし今回私が依頼するのは、その工作とは別にもう一つの件です」

 エヴァ  :「伺おう」

霧谷 雄吾 :「あなた方の管轄するこのN市に、“ディアボロス”が潜入しているという信頼度の高い情報を得ました」

 エヴァ  :「ほう。あの悪名高き春日恭二か。それはまたずいぶんな者が出入りしておるのう。たしかナツメは以前交戦したことがあったな」

黒沼 夏目 :「はい。逃げ足ばかりは速い男で、あいにくと捕り逃しておりますが…ファルスハーツがまたなにか企んでいるということでしょうか…」

霧谷 雄吾 :「おそらく。というのも、“シューラ・ヴァラ”という聞きなれない新手と情報交換しているという確定情報も得ています。つきましては、あなたの支部の管轄下でこの二人の計画を暴き、阻止していただきたい」

 エヴァ  :「ほう…インドの英雄が愛槍。それが此度の相手か。骨の折れそうな仕事じゃな」

 霧谷 雄吾 :「さすがの博識ですね。お二人が力を合わせれば、そう困難なことではないと判断しています。健闘を祈ります」

 エヴァ  :「無論。断る理由はない。いやしくも妾はUGN支部長としてこの街を任されておる」

霧谷 雄吾 :「ありがとうございます。それでは、さしあたっては百目鬼さんのもとに向かい、彼に説明してあげてください。この世界の“裏側”をね…」

 エヴァ  :「うむ、任せよ。ナツメ、霧谷殿の見送りを頼む。妾は先に百目鬼家の跡取りの様子を見に行くとしよう」

黒沼 夏目 :「かしこまりました」

 

 

コメンタリー

和泉 和弘 :ねぇさんの登場シーンかっこええわ!

百目鬼 天命: 素晴らしい演出だ、尊敬に値する

 エヴァ  :ふふん、もっと敬うがよい

 

和泉 和弘 :セイラムっちゅーたら魔女裁判の街やな

黒沼 夏目 :クトゥルフ神話におけるアーカムのモデルになった土地ですね

 エヴァ  :明かしてはおらぬが、妾の生みの親はリチャード・アプトン・ピックマン…セイラムとも縁のある画家じゃ

和泉 和弘 :それは知らんかったなー さすがねぇさんや!

 

補足コーナー

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 エヴァ  :今日はロールプレイについて補足しておこうかの

 

 そもそもダブルクロスはロールプレイを楽しむゲームじゃ。シーンの目的をよく理解して、シーンを盛り上げることがプレイヤーの一番の楽しみどころというわけじゃな。戦うことばかりに気を取られてシーンの演出を疎かにしておるようでは、ジャームとやっていることが変わらんぞ、注意するんじゃな。

 特に重要なのが能力の描写じゃ。ダブルクロスではキャラクターの能力はプレイヤーが詳しく描写してよい。たとえば妾は絵の具を使った能力としているが、ルールブックのどこにもそんなことは書いておらん。あまりに過剰な演出にならん限りは、プレイヤーの方から演出を挟んで盛り上げていくのがよいじゃろう。せっかく異能力アクションRPGをやるんじゃ、そこを盛り上げないでなんとする。

 ちなみに、シーンの演出に使いやすいエフェクトとしてイージーエフェクトが用意されておる。はじめのうちは慣れないかもしれんが、一度慣れてしまえばダブルクロス世界独自の演出を簡単に生み出すことのできる優れものとも言える。慣れてきたら積極的に取り入れていきたいものじゃな。

 

 

次回予告

百目鬼が意識を取り戻すと、世界は一変していた。これまで信じていた日常はどこかに消え、この世界の本当の姿がさらけ出される。

突きつけられた真実を前に、男は何を思うのか。

 

次回、ダブルクロス the 3rd edition『Crumble Days』シーン4

ダブルクロス、それは裏切りを意味する言葉…

 

次回に続く

 

 

注意1:霧谷雄吾の立ち絵は「ジュエルセイバーFREE」の素材を使用しております

注意2:「ダブルクロス the 3rd edition」は有限会社ファーイースト・アミューズメント・リサーチの著作物です