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魔法使いを作ろう(3) 魔法使いの典型ビルド【ソード・ワールド2.0】

前回、ソーサラーを基軸とした3つの型について、適切な杖の選び方と戦闘特技の優先度を確認しました。

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今回はこれに続いて、3つの型の特徴を最大限に活かせるビルドを考えてみることにします。普段行っているキャラクタービルドの記事ほど細かく紹介することはできませんが、それぞれの特徴を活かした魔法使いの構築方法の参考になれば幸いです。

 

 

 

魔法制御型は第1ラウンドが勝負

早々に魔法制御を習得する場合、レベル6時点からファイアボールを運用することができます。つまりレベル7から《ファストアクション》で敵前衛に2発の範囲魔法を叩き込むパワーマジシャンへと変貌できます。

この能力を存分に発揮するためには、先制判定で確実に相手の先制値を抜き去り、2回の範囲魔法を叩き込めるように策を練っておく必要があります。そこで人間を選択し、種族特徴の運命変転を利用して、確実に先制を勝ち取り、ボスの取り巻きを高速で削り落とすことを目標にしましょう。

パーティ内ではメインスカウトを担当するので、探索でも大いに仕事をこなすことができるはずです。探索用の魔法であるコンシール・セルフやシースルーなどをスカウトが使えるのは大きくプラスに働くでしょう。

以降ソーサラーとスカウトだけをひたすら上昇させながら、次の戦闘特技を習得します。

《魔法誘導》《魔法収束》《魔法制御》《武器習熟A/スタッフ》《クリティカルキャスト》《武器習熟S/スタッフ》《武器の達人》
+《魔法拡大/**》あるいは《ダブルキャスト》《防具習熟A/**》など

この選択では最終装備は〈アイオーン〉です。しかし補助魔法も行使する必要があると考えるなら、《武器習熟S/スタッフ》以上の習得をあきらめ、《魔法拡大/数》と《キャパシティ》か《魔晶石の達人》を候補に入れることも考えられます。

成長速度の鈍化はスカウトレベルの上昇に伴って深刻になります。自分が先制を取らなければ《ファストアクション》の効果が失われるため、後半はスカウトの優先度が高まります。従って魔力成長が鈍化するので、雑魚相手にも抵抗を許すことがあるかもしれません。よく注意して成長させましょう。

 

 

魔力強化型はやっぱりどこまでもロマン

一方の魔力強化型では、相手の抵抗を抜くために高い魔力が要求されます。当然種族としてはハイマンが最適です。魔力が上昇する効果を味方につけて、高い抵抗突破性能を獲得しましょう。

 

ハイマンの魔導師

《魔法誘導》《武器習熟A/スタッフ》《武器習熟S/スタッフ》《魔力強化》《クリティカルキャスト》《魔法拡大/**》《魔法拡大/**》
+《キャパシティ》か《魔晶石の達人》

 

ハイマンの魔導師でスタートし、初期に18以上の知力を獲得したらあとはソーサラーレベル6、コンジャラーレベル6を目指します。この状態からソーサラーレベルを7に上げて《魔力強化》を習得します。あとは二つの魔法をレベル10まで上昇させたあと、ひたすらソーサラーだけを上げ続けます。

この型の最大の特徴は探索を完全に他のメンバーに依存することです。深智魔法にも覚醒することができる有用な型ですが、A技能二つの成長はどうしても成長速度が遅れます。さらに相手の精神抵抗を越えられなければ何の意味もないので、仮にもう一つB技能を習得できるとしてもエンハンサーレベル5で【スフィンクスノレッジ】を習得して魔力を2点上昇させる以上のことはできません。

何よりの特徴として、補助魔法で相手の抵抗を抜き去ることができる唯一の型です。超越後は深智魔法の魔力も向上させて、最強の魔術師を目指しましょう。

 

 

鷹の目型はセージと併用する

鷹の目型の魔法攻撃は《魔法拡大/数》を前提としています。敵の後衛まで貫通する高威力の対単体魔法で第1ラウンドから機先を制しましょう。とはいえ《マナセーブ》を習得する必要があるので、スカウトの実用レベルでの習得は困難です。そこで素直にセージとソーサラーに限定して育成し、高火力魔法の運用に特化しましょう。

さて、最も多くのMPを期待できる種族はエルフです。しかし、ここではあえてエルフを採用しません。というのは、エルフのMPがいくら多くとも、最終的なMP出力では敵わない相手がいるのです。

 

ルーンフォークの趣味人

《魔法誘導》《魔法拡大/数》《鷹の目》《MP軽減/ソーサラー》《魔晶石の達人》《武器習熟A/スタッフ》《武器習熟S/スタッフ》
+《魔法拡大/**》か《クリティカルキャスト》

 

とにかく大量のMPを消費するこの型では、ルーンフォークのHP変換が重要な役割を果たします。大量の魔晶石を叩き割り命までも削って、《魔法拡大/数》の魔法を叩き込み続けます。蛮族が死ぬまで魔法詠唱をやめない! そんな気力を持って扱いましょう。

 

 

レベル帯による強さの違い

育成計画が定まれば、経験点に応じた魔力の上昇を比較することができるようになります。

この三つのプランを検証した結果、思わぬ事実が明るみに出ました。魔力強化型の行使判定基本値は(種族特徴とソーサラースタッフの力も加わって)常に他の型を1〜4も凌駕するのです。コンジャラーをレベル10に成長させるまでの間に苦戦を強いられますが、魔力強化型の抵抗突破力には目を見張るものがあります。特にレベル10以降コンジャラーを成長させる必要がないので、超越までの間圧倒的優位を生み出します(レベル11で種族特徴が強化されるのもこの点でプラス)。さらにレベル11からレベル15までの間は対単体魔法であるサンダー・ボルトが攻撃魔法中最高威力を誇ります。つまりロマン型とはいえ、実効的な戦力として十分機能する可能性が見えてきました。

 

一方思わぬ苦戦を強いられるのが《鷹の目》《魔法拡大/数》型です。型として優位な攻撃力を発揮できる状態を作り上げられるのはこれら2つの戦闘特技を習得した後です。といって高火力を安定して出せるわけではなく、当面は消費MPに対するダメージ量は深刻に不足します。MP消費量を相応に抑えることができるようになるのは《武器習熟S/スタッフ》習得後ブラックロッドを購入してから。消費MP-3の《魔法拡大/数》攻撃による絨毯爆撃は瞬間出力では最大ですが、型としての完成が遅いことが大きなネックになることでしょう。

 

次回はこの結果を具体的なデータとして見てみましょう。いったいどれくらいの経験点帯でそれぞれの型の優位性が生まれるのかをグラフで見ていくことにします。どのような結果が出るのかを期待しつつ。

 

 

次回に続く