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【ソード・ワールド2.0リプレイ】少年は海を目指す【英雄志望と二つの剣 1-3】

<前回 |第1話

 

あらすじ

フレデリックと名乗る少年は公王のご子息かもしれない!? 嫌な予感を抱きつつ、買い物を済ませた一同は彼を警護しながら海に向かう。

 

GM:フレデリックは冒険者の宿を出るとフード付きのマントを深々と頭に被って顔を隠し、ノイの後ろにしがみつきます

アーク:「早く行こう! 海が見たい!」

ノイ:「みんな準備はできてる?」

レイラ:「はい、行きましょう」

 

 

GM:町の中を進むとやがて城門に到着し、門衛がなおざりな挨拶をすませると

GM:堀代わりの川まで続く農村地帯があり、街道は南に進路をとって橋に向かいます

GM:1日目はイベントの予定はありません。街道が南東に折れるあたりまで進んで、キャンプを張りましょう

 

サラー:ちなみに街の外に出てからの坊ちゃんの様子はどうかしら?

レイラ:フード外してくっついてそうですね

GM:橋を渡ったあたりでフードは取りますよ。ノイちゃんからは離れませんが

GM:くっ、読まれた…

アーク:GMの欲望だね

レイラ:そうだ、ノイの水着画像を作ってGMを篭絡しましょう

アーク:ちゃんと替えの下着買ったよ!

カシウス:お前じゃ意味ないだろ!

 

サラー:「じゃ、サンドイッチ配るわよー♪」

ノイ:「ありがとう、サラ」

レイラ:「ありがとうございます」

サラー:「いえいえ、たくさん食べてね♪ といっても、そんなに量はないけど」

アーク:「ありがと、おにーさん」

サラー:「ねえさんよ?」

 

カシウス:ご飯食べるなら妖精さん呼ばないと

GM:なぜ!?

カシウス:フェアリーウィッシュ!*1

カシウス:2d6+2 → 9 成功

GM:ではカシウスの周囲10mが淡い光に照らされます。光の妖精を呼び出した状態ですね

カシウス:「お待たせ! うまそうだな、俺もいただくよ」

ノイ:「…カシウスが光ってる」

一同:「…?」

カシウス:「あっ、そうか、ノイはルーンフォーク*2だもんな」

サラー:「なるほど、見えてないのね」

ノイ:「…? ああ、これが妖精なの?」

カシウス:「ああ、妖精だ。いつの間にかついてくるようになって、今では大切な友達だ」

ノイ:「ふーん…(見えないのにほんとにいるんだなぁ…)」

 

フレデリック:(もしゃもしゃ)「決して美味くはないが、悪くないぞ! 要塞の外ではこういうものを食べなければな!」

サラー:「うん、いい笑顔ね」

フレデリック:「それで、海には明日着くんだよな? 冒険者たるもの、やはり海くらい見たことあるのか?」

レイラ:「私は北の出身ですから、海はこれがはじめてです」

ノイ:「わたしも」

アーク:「僕もないけど、海の水がしょっぱいってくらいは知ってるよ!」

フレデリック:「水がしょっぱい? お前は何を言っているんだ?」

カシウス:見たことがあるから余裕の面持ち

サラー:アタシも見たことあるし、微笑ましく見ているわ

アーク:「塩は海から取れるんだって、商人さんが教えてくれたんだ」

フレデリック:「そうなのか!? では明日塩をとって見せよ! いいな?」

カシウス:「えっ、それは…」

アーク:「任せて! たくさん取ってみるから!」

 

レイラ:「それで、どうして海を見たいと思われたのですか?」

フレデリック:「ああ、伝説があるだろう? 魔剣クラウ・ソラスの伝説だ。あそこで『海』というものが出てくるではないか」

 

魔剣クラウ・ソラスの伝説

クラウ・ソラスは世界を駆け巡る。

あるときは大海に揺蕩う波のように。

あるときは草原を撫でる風のように。

あるときは雪原を覆う吹雪のように。

あるときは密林を裂く河川のように。

あるときは山肌に轟く稲光のように。

 

クラウ・ソラスは世界のどこにでもあって、世界のどこにもない。

それはときの訪れを待っている。

 

人々が英雄を望むとき、クラウ・ソラスはそこにある。

 

ノイ:「ああ、言われてみれば」

アーク:「クラウ・ソラス?」

カシウス:「あれだろ?」

レイラ:「はぁ…建国の英雄フィネア候が使っていたと伝わる魔剣ですよ」

フレデリック:「そう、そのクラウ・ソラスだ。あれが駆け巡っているという様々な土地のひとつも見ないで、あの狭苦しい城壁の中で過ごすのがどうしても性に合わなくてな」

カシウス:「それで海を見たいってことか」

アーク:「へぇ! そんなすごい剣があるんだね!」

フレデリック:「そうだ、すごい剣だ。そんなすごい剣が必要にならない世界というのは、嫌いではないが、少し物足りないな」

ノイ:「平和が一番だと思うけどね…」

カシウス:「周辺の蛮族をぱぱっとひと薙ぎしてくれても、平和は平和だろ?」

フレデリック:「…そうだ! また報酬を用意できたら、次は大草原や雪原にも連れて行ってくれるか?」

アーク:「もちろん! 僕もいろんなところ見たいし」

レイラ:「北の方なら案内できますよ」

フレデリック:「そうか! …楽しみだな!」ニッコリ

 

サラー:「はーいあんたたち、そろそろ寝る準備をしなさーい。冒険中は寝るのもお仕事よ~」

レイラ:見張りが必要ですよね?

3交代で夜間警戒を行うも、遭遇ダイスに恵まれ何事もなく朝を迎える冒険者たち…

カシウス:「みんな朝だぞー 起きろー」盾と鞘をぶつけてガンガンと

アーク:「うるさいなぁ…でもゆっくり眠れたよ、いつもはもっと早起きだったから…そうだ、神様にお祈りしなきゃ!」

カシウス:「お祈り?」

アーク:「ル=ロウドさま*3、今日も一日いい日でありますように…」

アーク:ラックを行使(MP-3) 2d6+5 → 16 成功

レイラ:今日は運に恵まれてるみたいですね

ノイ:「おはよう」

GM:フレデリックはノイちゃんにしがみついて寝てますからね

レイラ:やはりGMの欲望ですね…

GM:違うんだ! シナリオ資料にそう書いてあるんだ!

サラー:あら? シナリオは誰が書いたのかしら?

GM:わたしだ(キリッ

 

GM:さてと、ここからの旅程もそう難しいものではありません

GM:街道を外れはしますが、川沿いの湿地帯の草丈は低く、カシウスがショートソードで軽く払いながら、順調に進むことができるでしょう

GM:しばらく進んで最後のひと茂みを抜け、皆さんの眼前に広がるのは、広大な海辺です

サラー:眩しそうに目を細めて仰ぎ見るわ

レイラ:「これが…」息をのみます

ノイ:「うーん、爽やか。これが潮の匂いってやつなのね」

カシウス:「見てる分にはな…(ボソリ」

ノイ:「…?」

 

アーク:「うぅぅ海だー!!」飛び込める?

GM:もちろん、服なんて脱ぎ捨ててレッツスイミング!

GM:フレデリックも嬉しそうに砂浜に駆け出しますが、波打ち際でおっかなびっくり、波にあわせて進んだりもどったりして、転んだりしています

レイラ:「あ、あんまりはしゃいでたらあぶないですよ…」そわそわおろおろ

ノイ:オカン属性だ

カシウス:さすオカ

アーク:下着いっちょになってドボーン!

アーク:「アハハ! やっぱりしょっぱい、辛い! でも気持ちいいね!」

レイラ:わーーっ もう! そんな格好! 目をそらします!

ノイ:木陰にでも入って涼んでるね

サラー:「あらあら」女子二人がサービスしないでどうするのよ

GM:そうだぞ! ほら、下着なんて脱ぎ捨てて海に飛び込むんだ!

ノイ:するわけないでしょ

レイラ:しません!

 

アーク:…いま何かあったらたいへんだね!

レイラ:気づいてるなら鎧つけてください!

GM:ところでアークさん、飛び込んでひと潜りして顔を上げたあたりで、足元に大きな岩があるのにあたります

アーク:みんな! 何か起きるよ!

サラー:・・・(無言で頭をかかえる)

GM:こんな浅瀬の岩の不思議を確かめるために少し潜ったとき、その岩が もぞもぞっ と動き出します

一同:あっ…

 

GM:アークは平目で魔物知識判定*4どうぞ

アーク:2d6 → 8 失敗

GM:もぞもぞと動いた岩のようなものの両端から、大きなハサミがぬっと伸びてアークに伸ばされます

アーク:カニだ! 食べたい!

カシウス:今夜はカニ飯だ!

ノイ:逆にカニの昼食になっちゃいそうだけどね

サラー:冗談になってないどぎつさね(苦笑

GM:アークは水泳判定(目標値9)を行いましょう

アーク:2d6+5 → 11 成功

カシウス:さすが!

サラー:お見事!

GM:では、とっさの反応でハサミをかわし、これが敵性動物だと気づきます

 

アーク:「ぷはっ。ねぇ、なんか海の中にいるよ!」

GM:伝わらねぇなw

レイラ:とりあえずアーク引っ張り上げます

GM:いいですよ 鎧の再装着はできませんが、武器と盾は装備状態になってください

 

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「なんか食べられそうなのでてきたーっ!」by初戦闘でパンイチのアーク

 

GM:大きなカニ風生物はアークを追って波打ち際に上がってきます

サラー:セージが見せてやるわ 魔物知識判定!

サラー:2d6+3 → 10 失敗

ノイ:ダメじゃん

サラー:・・・

GM:では、相手が何なのかわからない状態で、戦闘に入ります!

 

 

 

アーク:わーい、僕パンイチ!

カシウス:おい、お前PC1だろ! そのカッコなんとかしろよ!

レイラ:勢いで引っ張り上げましたけど、なんて格好してるんですか!

サラー:(…これ予想通りなら敵はアレでしょ? 大丈夫なのかしら…)

 

 

次回につづく

*1:レベル1の妖精魔法。本来なら妖精さんを呼び出し、お願いして行動を補助してもらう。しかしここではただ妖精さんと一緒にご飯が食べたかったという理由で呼びだされている。妖精がカシウスのことをウザったく思っていなければいいのだが・・・。

*2:まだ蛮族に文明が破壊される前、魔動機文明時代に盛んに製造された人造人間。フィネア地方ではムートランドにジェネレーターが残されており、今でも少数ながら生産が続けられている。ノイはその中でもやや感情を理解しているイレギュラーという設定がある。

*3:神様の1柱。自由と幸運の神とされ、冒険者はもちろん盗賊や賭博者からも信仰されている。「己を守るは己のみ。弱き者に自由を語る資格なし」という格言の通り、自分で運命を切り開くことを旨とする。ゲーム的にもダイス結果を左右する特殊魔法を習得できる点で、多くの冒険者から信仰を集めている。

*4:その魔物を知っていたどうかを判断する判定。成功すれば魔物データが開示される。