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TRPGをやりたい!

TRPGのトビラをひらこう!

一番簡単なTRPGシナリオの書き方

クトゥルフ神話TRPGのシナリオの書き方に対する需要が尽きません。

今日はこれまでに提示してきたシナリオライティングのコツを振り返…りません。これまでで最も簡単なシナリオの書き方を用意しました。いつもの記事が難しいという方、あんな色々なもの読んでられないという方。今日はあなたのための記事です。

 

まずは気の短い方のために結論を示そうと思います。

頭に入れるべきなのはたった一つのことです。

 

初めから面白いシナリオは作れません。

 

このことを念頭にいれていただいたうえで、今日はシナリオを書き、さらに面白く工夫していく基本的な考え方を示そうと思います。すなわち、シナリオとは小さな起承転結に判定操作をくっつけたものだ、という考え方を示します。

 

メニュー

1.短いシナリオを書いてみる

2.シーンが連なっているのだから

 

1.短いシナリオを書いてみる

「シナリオが書けない」「シナリオの書き方がわからない」そう言っているうちには、永遠に書けません。誰でもシナリオは書けます。書けると信じるところからはじめましょう。

もちろん、面白いかどうかは別ですよ? 言外に含まれている「(面白い)シナリオが書けない」「(面白い)シナリオの書き方がわからない」の()の部分は無視しましょう。誰でも初めから面白いシナリオを書けていたら、シナリオライターの市場価値は大暴落です。私だって書ける自信はありません。アタリもあるしハズレもあります。最近少しずつクオリティが安定したかなと思ってはいますが、やはり自信はありません。

 

どれくらいハズレシナリオを書くのか?

私の場合、シナリオライティングを本格的に始めてから、この一年間で書いたシナリオの数は50くらいだと思われます。公開されているのはクトゥルフで6つ、ソード・ワールド2.0で8つくらいでしょうか? それらは初期には特にふるいにかけられず公開され、最近はある程度ふるいにかけられて公開されています。

ボツになったシナリオたちは年間で36。初期のシナリオをハズレにカウントするとして、今のところの私のあたり率が20%程度でしょうか。プロにはほど遠いですね。シナリオライティングの技量とは、いいシナリオを書く技術ではありません。ボツになるシナリオの割合を減らす技術なのです。

 

つまり、まずは下手くそなシナリオを書きましょう。

これがシナリオライティングの一番初めの作業です。以下、まずはその手順を改めて説明します。

 

(1)起承転結を決める

シナリオも4コマです。事件の発生、調査、クライマックス演出、エピローグ。これを決めてしまいましょう。繰り返しますが、どんなにくだらないものでも構いません。下手なシナリオを書くことが全ての始まりです。自分でもシナリオが書けると思い込むために必要な手順なのです。

突然ゾンビに襲われた

逃げ惑っていたら変な科学者にあった

だいたいそいつのせいだったから殴った

隠し持っていた特効薬で世界は救われた

パーフェクト! これ以上によいものはこの世に存在しません。あなたが思い浮かべた起承転結も全力で褒めましょう。それが現在世界中で最も面白いシナリオです。

 

(2)判定を決める

さて、これじゃあ四コマ漫画やショートショートと変わりませんからね。TRPGのシナリオにするために、判定処理をくっつけましょう。

突然ゾンビに襲われた:逃げよう→DEX対抗ロール

変な科学者を見つける:話を聞き出そう→交渉系技能

とりあえず殴ろう:戦闘系技能

特効薬で世界は救われた:エピローグだから技能不要

はい、シナリオが完成しました。早速遊んでみましょう。

 

(3)実はもう遊べる

探索者を用意します。以前使ったことのあるおっさんパフォーマーのミスター世渡、世渡朔吾を使ってみることにします。

世渡が街中でいつも通りジャグリングパフォーマンスをしていると、遠くから人々の悲鳴が聞こえた。見れば白目をむいた男が人を食らっている!

これは大変だ! SANチェックをしよう!

SANチェック→成功 1減少(残り54)

世渡「なんてこった! 映画かなんかの撮影ってわけじゃねぇよな(汗」

血だらけになった男がその顔を上げ、世渡を視認する。男は立ち上がって世渡に向かって走り始めた!

世渡「キエェェェッ!ゾンビが走ったァァァァッ!」逃げます

DEX抵抗ロール → 失敗

逃げ切れそうにない!

世渡「ちくしょうこれでもくらえ!」ナイフ投げで牽制します

投擲 → 成功

ナイフが頭に刺さると、ゾンビは姿勢を崩して一度倒れます

世渡「そのナイフ高いんだからな!」逃げます!

逃げていると怪しげなアタッシュケースを持った白衣の男がいます。

世渡「おい、お前科学者だろ、これどういうことだよ! 何が起こってんだよ!」

科学者「わ、わわ、私は何も知りませんよ」

見るからに事情を知っていそうですね。

世渡「お前、そのアタッシュケースはなんだ!」

科学者「やめろ! ゾンビの特効薬なんて入ってない!」

世渡「お前バカだろ!」ナイフ投げで手を指します

投擲 → 成功

科学者「グワァァァァッ」

アタッシュケーシュが地面に落ちて開きます。そこには次の文字が

赤=ゾンビニナール

青=タスカール

世渡「なんてわかりやすい!」

ケースを拾った世渡はこれを医療機関に届けて世界は感染から救われたのだ! めでたしめでたし

ほら、TRPGではありませんか! いまだかつてこれより優れたシナリオがあったでしょうか? いえ、きっとないはずです。きっと…

 

(4)記述はプレイ風景を思い浮かべて書く

さて、あとは使ったテキストをシナリオ資料風にまとめましょう。

それっぽく書いておけば、きっとそれっぽいシナリオになるはずです。

探索者は街中でゾンビに襲われる人を目撃する(SANチェック1/1D6)。逃走することも戦闘することもできる。戦闘する場合、ゾンビのステータスは(省略)とする。逃走する場合、ゾンビと逃走者のDEX対抗を行う(ゾンビのDEXは9)。

逃走しても、戦っても、その場を移動すると白衣の科学者に遭遇する。彼が街中でゾンビニナールという薬を無差別に投与したのがこの事件の真相である。彼を気絶させるなどの方法でアタッシュケースを奪えば、シナリオクリアである。

シナリオ資料が完成しました。

 

 

2.シーンが連なっているのだから

え? ふざけるな?

 

ふざけてはいません。極めて短いシナリオですが、ここにはシナリオ作りの基本が全て詰まっています。

 

シナリオとは、物語に判定処理の指示を加えたものです。それゆえ、まずは存在する判定の種類に通じなければなりません。よくルールブックを読みましょう。それぞれの場面でどの判定が使えそうか、想像することを欠かさないようにしましょう。この基本さえ押さえれば、あとは組み合わせやギミックを調整するだけで面白いシナリオに変化させることができます。

 

というのも、今回利用した「起承転結法」は、本来は「シナリオ」の製作法ではなく、「シーン」の設計方法だからです。

シナリオ全体の「起」
起:街中でゾンビに出会う
承:逃走すると科学者を見つける
転:科学者が注射器を通行人に刺すとゾンビ化する
結:捕えようとするが逃げられてしまう

 このように小さな変更を加えると、大きな物語のオープニングに早変わりです。このシナリオはどうやらこの科学者の企みを明らかにして、追い詰め、そして治療薬を回収するシナリオなのだとすぐに伝わるでしょう。

 

自分なりの極小シナリオを書けた人は、あとはそれを4つくらいくっつけて書いてみましょう。立派な標準的シナリオが完成しているはずです。

何事も小さく切り分けて考えればいいのです。そして書いてみたあとで、なぜ面白くないのかを考えましょう。起承転結パーツを書き換えたり、他のシーンを追加してみたり、シーン同士の結びつきを調整したり…あとはそれを繰り返すだけです。忍耐のいる作業ですが、内容自体はそう難しくありません。

 

ひとまずあなたなりの小さな小さな起承転結を決めること、あるいはルールブックに含まれる判定操作を覚えること、この辺りから始めてみてはいかがでしょうか?

 

 

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