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レッサーオーガの正体をどうやったら見破れるのだろうか【ソード・ワールド2.0考察】

久しぶりにレッサーオーガシナリオを執筆中なのですが、いつもと違って不特定多数の人間の中からレッサーオーガを発見して叩くシナリオにしたいと考えています。つまりシティアドベンチャーの中で怪しい人物が浮上し、その正体を解き明かし、証拠を突きつけたところで相手が冒険者たちを殺して証拠隠滅しようとして戦闘に陥るという流れです。

 

さて、ここで問題が発生します。どうやれば容疑者を限定できるでしょうか?

レッサーオーガの生態について考察し、シナリオ作りに生かしてみましょう。

 

メニュー

1.蛮族の小さな策士、レッサーオーガ

2.人化の条件と欠点

3.レッサーオーガを発見する

4.魔法による発見を回避する

 

1.蛮族の小さな策士、レッサーオーガ

なぜレッサーオーガは人族社会に紛れ込むのでしょうか?

同じように人族社会に紛れ込んで生き延びるラミアと異なり、レッサーオーガの目的は破壊です。

 

レッサーオーガは気まぐれに人に化けるわけではありません。もっとも典型的な潜伏理由は襲撃前の内部潜伏です。蛮族本隊の攻撃に応じて城内や集落内で騒ぎを起こし、防衛機能を混乱させることで効率的に人族社会を破壊するのです。

そうした活動をするには十分な知能も備えており、潜伏任務中は容易にはボロは出さないと考えたほうがいいでしょう。

 

2.人化の条件と欠点

レッサーオーガが人化するためには、化ける対象の心臓を食らう必要があります*1。この条件から、誰かになりすますという方法でしか潜伏できないという条件がつきます。

この点がラミアとの大きな違いでもあります。ラミアは他の誰でもない一人の女性として潜伏が可能ですが、レッサーオーガにはそれができません。もちろん、全く別の集落の人間が流れてきたものとして潜入することも可能ですが、その場合生活インフラがありません。自宅がない以上宿を借りなければなりませんが、その場合次の条件が厳しくのしかかります。

 

人化を続けられる時間の制約です。1日に18時間が限界という条件があります。したがって宿を借りた場合、個室が潜伏の条件になります。一方誰かになりかわったのなら、同居人さえいなければ、潜伏は格段にローコストで実現可能になります。

どうせ蛮族なのだから、浮浪者に紛れるという手も考えられます。しかし壁のない路上や橋の下で人化を解除すれば、いつ目撃されてしまうかわかったものではありません。やはり一人暮らしの人間に成り代わって潜伏するのが最良でしょう。

 

それでも貯蓄が失われればそれ以上の潜伏は困難になります。というのも、記憶を引き継げるわけではないからです。記憶を引き継げば、成り代わったまま仕事をこなし、収入を得ながら長期滞在を実現できます。しかし記憶を引き継げないために、滞在は短期的なものにとどめるほかありません。

 

 

3.レッサーオーガを発見する

この辺りが潜伏レッサーオーガの弱点になりそうです。

つまり、次のような異常な性質が、レッサーオーガ発見の手がかりと言えるでしょう。

  1. 突然仕事をしなくなった/商売に興味を失った など
  2. 身元がよく分からない流れ者で、個室に住んでいる
  3. 夜の付き合いが悪くなった(人化時間の制限)
  4. 付き合いの関係や旧交を記憶していない
  5. 同居人と同時に姿を現さない(同居人がすでに死んでいる)

これらの性質を持った人間を聞き込み調査などで絞り込み、後はひたすら張り込み調査をして、犯人確保の流れになるのでしょうか。

 

しかし、この調査方法にも穴があります。

これは相手が単独で潜伏していることを前提にしています。もしもペアや3ピースで行動していたりすれば、その途端に調査は難航します。人化時間の制限に由来する個室の制限から解放されるからです。

レッサーオーガにも人並みの知能があります。その他様々な対抗策を講じて、巧みな潜伏を試みていることでしょう。

 

 

4.魔法による発見を回避する

そこで決定打になるのが、バニッシュやサーチ・バルバロスなどの神聖魔法です。少しでも疑わしくなったときには、これらの魔法を使えば強制的に敵の正体を看破することができます。

しかしシナリオ展開上バニッシュによる強制的な露見を避けたい場合もあることでしょう。その場合、いくつかの方法で回避することが可能です。

 

最良の方法は、容疑者を増やすことです。全員にバニッシュをかけて回ると、MPが持たないという状況を作ればいいのです。しかし、これでは探索プロセスも間延びして、シナリオ全体の面白さが減じます。

次の方法は、バニッシュで露見した時の状況次第でパニックを引き起こすことです。酒場でやらかせば修理代を要求され、街中でやらかせば死傷者が出る、そんなリスクと隣り合うようにレッサーオーガを行動させます。もちろん、冒険者たちにも依頼者からそのように釘を刺しておきましょう。「騒ぎを起こさないように処分してほしい」と。

 

こうすることで、冒険のプロセスは次の目標につながります。

怪しい人物を他の被害が生じない場所に誘導して、バニッシュを仕掛けて本性を明かすという目標です。

 

これによってシナリオの前半が容疑者探し、後半が追い詰める方法探しになります。前後半の分かれ目にイベントなどを挟めば、シナリオにもメリハリがつくかもしれません。

 

以上、私なりにレッサーオーガの使い方を考察しておきました。

冒険の序盤で使い易く頻出の魔物ですが、シナリオに一工夫を加えて、シティアドベンチャーにも活用してみてはいかがでしょうか?

*1:心臓があるということは、ソード・ワールド世界にも血液があるということであり、その他もろもろの考察が可能になりますがそれについてはまたどこかで。