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【サプリメント紹介】アーカムのすべて【クトゥルフ神話TRPG】

『アーカムのすべて』は、ラブクラフト作品の舞台である1920年代アメリカのアーカムを舞台にしてプレイする際に利用できる人・街・物のデータブックです。

このサプリメントの購入は、プレイヤーの皆さんに次の要素をもたらしてくれます。

1.アーカムという箱庭の共有

2.詳細に設定されたNPC群

3.アーカムを舞台にしたサンプルシナリオ

では、それぞれの要素を紹介していきましょう。

 

1.アーカムという箱庭の共有

このサプリメントの購入によって得られる第一の魅力は、ひとつの箱庭を共有できることです。

キャンペーンをプレイしていると、少しずつ登場人物や知人が増え、世界が賑やかになっていきます。このとき、一枚のマップとNPCたちをプレイヤーたちが共有するのが理想的です。しかし、キーパーが設定した街の情報をプレイヤーたちが逐一覚えるのも負担が多いことですし、なにより長続きしたキャンペーンの先でしか味わえないこの楽しさにたどり着けない卓もたくさんあることでしょう。

 

そんな方々にとって、このサプリメントは画期的な解決を提供します。すなわち、初めからひとつの箱庭の設定を共有するという解決策です。

クトゥルフ神話の創造主であるH・P・ラブクラフトが物語の舞台に選んだ街のうちでも、最も有名な街がアーカムです。クトゥルフ神話TRPGをプレイするならば当然その名を耳にしたことのあるこの街ならば、プレイヤーたちが初めにシェアワールドする舞台にもってこいではないでしょうか?

 

同梱されている大きな地図を卓上に広げて、小さな駒をランドマークにし、探索者たちがあのアーカムを舞台に駆け回る。初めはちょっと慣れないかもしれませんが、ひとたびその設定を読み込んでしまえば、自在にプレイヤーたちの活躍を演出していくことができるでしょう。1920年代アメリカという浮かれた時代も手伝って、この街を舞台にしたロールプレイをあなたもきっと気にいるはずです。

 

 

2.詳細に設定されたNPC群

シナリオを回したり、ロールプレイをするうえで一番支えになってくれるのは、豊かなNPC設定です。汚職刑事のレイやギャングのダニー、そしてもちろんアーミテッジ博士など、この街には魅力的なNPCがたくさん設定されています。

また、アーカムの街には怪しげな秘密をもったNPCや家屋も設置されています。それ自体がシナリオフックとして利用できるので、収録されているサンプルシナリオと合わせて、かなり長い間アーカムを舞台にして遊ぶことができるのです。

この資料を片手に1つシナリオをプレイするたびに、アーカムは賑やかな街になっていきます。はじめは膨大に思えた設定資料も、セッションの中で交流していけば、思いの外たくさんの人を覚えることができるでしょう。この積み重ねが、「この事件…彼なら何か知っているかも」とか「誰かと思ったらお前かよ」とか、そういう発想や展開を下支えするオープンワールドを実現してくれます。

 

やや外れた読み方ですが、自分たちで一つの街を作るときにも、これくらいの共有設定資料があればいいんだ、という指標にもなってくれます。プレイヤーたちがキーパーの用意した世界についてきてくれないなら、ひょっとしたら資料が不足しているのかもしれません。

 

 

3.アーカムを舞台にしたサンプルシナリオ

そしてこのサプリメントには、そんな魅力的なアーカムを舞台にしたサンプルシナリオが収録されています。

『サイラス叔父の蔵書』『野生の丘』『殺人リスト』『夜のしじま』の4本のシナリオが収録されています。それぞれかなりのボリュームを持ったシナリオで、資料の読み込みには時間がかかるかもしれません。それでも、詳細な街の設定と豊富な資料に下支えされたシナリオは、他の設定の少ないシナリオとは違った面白さを発見させてくれることでしょう。

そして、箱庭を共有してプレイすることの面白さを知ってしまったあなたは、もうそこから離れられなくなるに違いありません。

 

こんな魅力的な一冊『アーカムのすべて』ですが、場合によっては、一緒にセッションする仲間で1冊を共有するだけでも十分に楽しむことができます。新しい面白さを発見し、格別の楽しい時間を過ごすために、この狂気の箱庭アーカムをあなたの卓にも招いてみてはいかがでしょうか?

 

クトゥルフ神話TRPG アーカムのすべて 完全版 (ログインテーブルトークRPGシリーズ)

クトゥルフ神話TRPG アーカムのすべて 完全版 (ログインテーブルトークRPGシリーズ)

  • 作者: キース・ハーバーほか,坂本雅之,アーカム・メンバーズ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン
  • 発売日: 2014/09/29
  • メディア: 単行本
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