【クトゥルフ神話TRPGリプレイ】小島に潜む巨悪【Part.5】
【前回のあらすじ】
エルダーサインが刻まれた石が祠に残されていた。超常的な力で破壊された祠は、探索者たちに神話的生物の予感を与える。考古学者バウマン、社会運動家森田、先住民族シミナボアン。3人の思惑ありげな人物を前に、探索者たちの疑心暗鬼が始まる…。
KP「森田はタオ族の集落に戻って、現地の方たちとお話をなさるそうですよ。おそらくそこに志男さんもいらっしゃるでしょうね。バウマンさんは…3人とも演じるのは手間なので、ちょっと控えててもらいましょう」
川越「この時点で確認しておきたいことって何がある? アニトと祠の関係と、アニトっていうのがなんなのかって話?」
郁三「そうですね、あとは…他の祠が壊れたときの嵐って何日くらいで止んだのか、とか」
川越「これで3つ目が壊れたにしろ、あと1つあるんだし、ただの旅行者である俺たちには関係ないかもしれないからね」
KP「では、お二人がのっぴきならない状況に追い込まれるように、シーンを演出することにしましょう」
呪術師を失った島
KP「では、タオ族の文化センター的な施設で、シーンを開始しましょう」
森田「シミナボアンさん、祠、見てきましたよ。また同じです。木っ端微塵に圧壊してますね」
川越「『また』ということは、これまでの二つもあんな感じで壊れたんですか?」
森田「そうなんですよ、バランスを取るために中央に向けて圧が向くようにでもなっていたんですかね…」
川越「・・・いえ、あれは、自重で壊れたり、重機で壊されたような壊れ方じゃありませんよ」
志男・森田「!!」
森田「・・・それは、どういうことです?」
川越「まるで巨大な腕に握りつぶされたような・・・いえ、推測にすぎません。それで、あの祠、いったい全体なんなんです?」
郁三「島の方々が騒ぐということは、なにか重要なものだったりするんですか?」
森田「・・・そうですね、私もちゃんと聞いておきたい。シミナボアンさん、島民にとって、あれはいったいなんなんですか?」
志男「・・・ひとつ目の祠が壊れたのとちょうど同じ時期まで、この島には呪術師の女性が一人住んでいました。その人物によれば、この島には、海の中に住むという『大きなアニト』の子だかなんだかわかりませんが、『小さなアニト』が封じてあると伝わっています」
郁三「それを封じているのが、あの祠なんですね?」
志男「はい、伝承に聞く限りは、そういうことになります。とても信じがたい話ですが…」
森田「呪術師といえば、ひとつ目の祠が壊れたのに前後して、山中で亡くなっていたあの方ですよね?」
志男「はい。ですから、タオ族の中には、かの呪術師を失ったために、封印の力が弱まり、次々に祠が崩壊しているのだという噂も出ています。しかし、今や祠の崩壊の末に何が起こるのか、知っているものはおりません…」
最後の祠のある場所は
川越「なるほど…それで、最後の祠はどこにあるんですか? この辺りにあると書かれていた気がしますが」
森田「ああ、それなら私たちの活動拠点の敷地内に囲ってありますよ」
郁三・川越「・・・」
郁三「…これ、森田が敵なら、もう全部壊されてますよ」
川越「これ最悪、祠よりエルダーサインの方が仕事してて、森田がそれを回収して回っていて、祠だけ残っててもエルダーサインの石だけが消えてるってこともありそう」
郁三「それって、見に行っても構いませんか? せっかくなので、元の状態の方も見ておきたいので…」
森田「・・・ええ、構いませんよ。私がいれば、案内して差し上げます」
川越「知られないように侵入するのも手かな…」
KP「まあご自由に。誰を信じ、誰を疑うかはお二人次第ですから」
KP「それで、他に尋ねておきたいことはありますか?」
川越「そうだ、呪術師の家の場所を聞いておきたいな。そういう文化にも興味があるていで、もし可能ならどういうことをやっていたのか教えて欲しいって感じで」
KP「了解です、では地図中に『呪術師の家』を追加します。移動を宣言してくれれば調査に赴くことができますので」
乾き目トリオ伝説の始まり
郁三「よし、次の行動ですが、早速呪術師の家に行ってみましょう。絶対にこの問題を解決するヒントがあります」
川越「そうだね、それ以外にはないかも」
KP「最後の祠の見学はいいんですか?」
川越「あー、それもチェックしときたくはあるけど…」
郁三「いえ、森田が味方なら確認する必要がありません。そして森田が敵ならもう破壊されているかエルダーサインが取り除かれていて、祠を確認したとたん後ろから撃たれます。つまり、行くだけ無駄です」
川越「たしかにそうだね、しかし郁三さん、人を疑うのに慣れすぎでしょ(苦笑)」
郁三「ハカセのシナリオに鍛え抜かれましたからね、というわけで、魔女の館に行きましょう!」
KP「では、シミナボアンさんの案内で、二人は一つの荒屋に到着します。荒屋には呪具と思われるものがあちらこちらに散らばっておりまして、亡くなってから半年、この不気味な部屋に人が寄り付かなかったことがよくわかりますね」
川越「探索するかー。目星?」
KP「はい、目星でお願いします。志男さんも振っておきますよ」
目星 50% → 失敗
目星 60% → 失敗
目星 25% → 失敗
川越「デデドン(絶望)」
KP「では、部屋があまりに荒れているのと埃っぽいので、あなたたちは気になるものを特に発見することができません」
川越「ここって、以前からこんなに荒れてるんですか?」
志男「そうですね、あまり整理されているという印象は…それに、呪術師の家というのには、あまり誰も近寄りたがりませんから…」
川越「部屋の中の荒れ方は、誰かが押し入ってきたような感じではない?」
KP「うーん…目星に失敗しているので、そういった形跡の判断はつきませんね」
郁三「聞き耳は使えますか?」
KP「ああ、その手がありますね、いいですよ」
聞き耳 70% → 失敗
聞き耳 25% → 成功
KP「では、川越さんは潮の匂いにも似た、ちょっと生臭い匂いを感じ取ることができます」
川越「この匂い・・・いったい何スマスの匂いなんだ・・・」
郁三「いったいなにきものが行動しているっていうんだ・・・」
KP「いやぁ、謎が深まりますね! 太平洋に住む巨大な伝承生物と、エルダーサイン、そして潮の匂い! いったいナニきものがナニルフを復活させようとしているのか、さっぱりわかりませんね!」
川越「・・・丸分かりだわ!!」