【クトゥルフ神話TRPGリプレイ】小島に潜む巨悪【Part.3】
【前回のあらすじ】
タオ族の集落でドイツ人考古学者バウマンと出会った。この島には「アニト」と呼ばれる精霊と、それにまつわる石器文明遺跡が点在しているらしい。海と山に棲むといわれるアニト。その正体とはいったいなんなのだろうか?
KP「登場人物紹介はあと一人だけですね。直接登場してもらうより、会話の中で出てきてもらいましょう。次のシーンは民宿での食事の場面になります」
川越「この時点でバウマンが怪しいけど、志男も地元民で怪しいよね」
郁三「そしてたぶん、次に出てくる男も怪しいですよ」
KP「さっそくの人間不信ですね(苦笑) でも、今回のシナリオは、もとは初心者を交えて蘭嶼滞在時の余興にでもしようと思っていたシナリオですから、そんなに複雑ではありませんので」
郁三「でも誰かが黒幕なんでしょう?」
KP「そうですけど(苦笑)」
壊れてしまったアニトの祠
KP「ここまでの探索で、みなさんあるものを見かけています。それは『核廃棄物処理施設の建設に反対』という旨の旗です。それはもうあちこちで見かけますね。そのことに話を持って行きますが、その前に約束通り研究について話を聞いてもいいですよ」
郁三「じゃあひとまず、アニトと祠について話を振ってみます」
川越「遺跡がたくさんあっても、アニト関係がどれくらいあるかわからないからね」
KP「了解です、ではバウマンさんと志男さんは次のように応答するでしょうね」
バウマン「アニトの祠といえば、この島には4つありましたが・・・今はどういう状況ですか? シミナボアン(志男)さん」
志男「以前いらっしゃってからはまだ壊れていません。残っているのはあと2つですね」
川越「壊れたんですか?」
志男「はい。壊されたっていうには、丈夫な祠でしたから・・・でも、勝手に壊れるにしても、丈夫だったんですけどね・・・」
KP「と、ここで(環境音【雷雨】を再生)こんな音が」
郁三「あれ? 雷? 天気予報ではこれから晴れが続くって・・・」
志男「…スコールでしょうか? でも、祠の話をしてすぐにこれっていうのは…窓を閉めて回ってきますね」
KP「そう断って、シミナボアン(志男)は一旦この部屋を出ますよ」
川越「祠と雷雨がなにか関係でも?」
バウマン「はい。これまでの2箇所が壊れたときにも、同じような雷雨が島を襲ったんです。これはまた、なにかあるかもしれませんね」
あちこちで見かける幟旗(のぼりばた)
KP「さて、祠も気になるところですが、帰って来た志男さんに、バウマンさんが次のように問いかけます」
バウマン「そういえばシミナボアンさん、運動の方はうまく進んでいますか?」
志男「ええ、すっかりこの半年で様変わりしてしまって…」
郁三「あの旗ですか」
志男「はい、せっかく来ていただいたのに、ちょっと景色が悪くって、すみませんね」
川越「いえ、島民にとっては大切なことなんでしょうから」
バウマン「それもこれも森田という男のやり方でね」
志男「島のためにやってくれているんですから、あまり悪くは言えないんですが、随分派手に運動をしてくれまして…。私のような観光業の立場からしてみれば、長い目で必要とわかっていても、どうにもねぇ…」
KP「というわけで、森田さんの基本情報を公開します」
NPC紹介:森田 興雲(もりた しんうん)
社会運動家。半年ほど前からこの島に拠点を置いて、核廃棄物処理場建設に対する反対運動を組織している。島民の味方ではあるが、あまりに急速に反対組織を再編したために島内ではありがたくも少し迷惑がられている節がある。
郁三「まあ大丈夫ですよ、気にはなりませんから。それより、雨の方がやだなぁ、せっかくの海が…」
いつもの人間不信がはじまる
KP「というわけで、登場人物が揃ったので、次あたりから事件を引き起こしていきます」
川越「うん、だいたいわかったよ」
KP「とふの画面にマーカーを用意したので、登場人物のコマを敵側と味方側にわけて配置してくださっていいですからね。プレイヤー間での相談や、見解共有にご利用ください」
川越「とりあえず、志男さんは味方っぽ…
郁三「待ってください」
KP(あっ、これは始まったな)
郁三「全員敵です。なんの保証もない今、味方だと断定するより敵だと思った方が安全です」
川越「ちょっ、はぁ?」
KP「これがお助けNPCに刺されかけた男の選択! 今日も気持ちいいほどの人間不信!」
郁三「最悪、3人がグルになって探索者を生贄に捧げるくらいのことは考えて置いた方がいいです」
川越「それはさすがに(笑)」
郁三「川越さん、このKPの演出は信じちゃいけないんです!」
KP(今回は初心者用の余興にと思って作ったと言ったろうに・・・)
川越「よし、じゃあ最悪全員と戦うつもりでいこう…」
KP「意見が固まったところで、翌日のイベントまで飛ばすことにしましょうか(苦笑)」