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【クトゥルフ神話TRPGリプレイ】小島に潜む巨悪【Part.2】

【前回のあらすじ】

方言の安定しない吉郁三は女に飢えていた。一方、初めてのボイセに戸惑っていた川越さんも次第に口がノッてきて、セッションは順調に進み始める。二人は小蘭島の先住民族文化を見に行くため、佐藤志男の車に乗り込むのだった。

 

KP「では、車に乗って移動ですね」

郁三「もちろん花子に乗って移動しますよ」

KP「川越さんは?」

川越「佐藤さんの車に乗って移動しますよ」

KP「では、車の速度に追随できたか、運転(花子)で判定しましょう」

川越「運転(花子)まじで使った!!」

運転(花子)25% → 成功

川越「そして成功した!」

郁三「うおぉぉぉ花子の足ははえぇんだ」

KP「川越さんたちの車の後ろから、花子に乗った郁三さんが猛追してきます」

川越「なんなんだこれは(笑)」

 

ヘルムート・バウマンとファンブラー川越

KP「では、島の反対側、先住民族集落のところにたどり着きます。そこにはミクロネシア系の民族に特有の鮮やかな装飾の施されたカヌーが目に入ります。何人かの先住民族と思われる肌の浅黒い人々の中に、一人ゲルマン系の男が立っていて、あなたたちに気づいて声をかけてきます」

舞台設定補足:タオ族

このシナリオの舞台として利用している蘭嶼には、実際にタオ族の方々が生活しています。台湾本島が中国文化に属する一方、この島は南洋系の文化圏に属し、全く異なる言語体系をもっています。日本統治台湾時代に鳥居龍蔵が調査したことで知られる「ヤミ族」と同じ民族で、現在は「タオ族」の呼称が用いられます。

???「シミナボアンさん、どうも。また案内ですか?」

志男「ああ、バウマンさん、どうも。今日同じ宿に泊まる旅行者の方々ですよ」

郁三「ドウモ、ハジメマシテー ヨシ IKUZO デース!」

バウマン「日本語話せますので、そうかたくならずに」

KP「あ、川越さん、この人学者先生なので、考古学振ってください知っているかも」

考古学25% → 00ファンブル

川越「ぶっは(笑)」

KP「よりにもよって・・・では、あなたはこう思うでしょうね・・・」

 

KP「こいつは、ネオナチの構成員に違いない! と」

 

川越「郁三さん、ちょっと・・・こいつ、マズイっすよ・・・」

郁三「お、おう・・・」

バウマン「どうかしましたか?」

川越「いえ、なにも。それで、あなたはこんなところでなにを?」

バウマン「ああ、私はこの島の考古学的調査をしていましてね。この地の伝承は興味深いもので・・・ほら、たとえばこのカヌーひとつとりましても、この造船方式は台湾や日本には見られませんが、ミクロネシアからポリネシアまで太平洋全域にわたって利用されています。いわば、海洋地域の文化の入り口だったわけです」

郁三「ふーん(ハナホジ)」

川越「郁三さんちゃんと聞いて!」

郁三「じゃあ、この島にも面白い遺跡があったりするんですか?」

バウマン「そうですね、石器文明の遺跡や、この土地の信仰にまつわる祠があちこちに。といってもあまりにマニアックなものばかりです。ただの観光旅行には、少し荷が重いかもしれません」

川越「それで、どういう研究をなさっているんです? ゲルマン民族とはあまり関係なさそうですが・・・」

バウマン「ああ、わたしはつまり、太平洋地域の文化や技術の伝播の過程を考古学的に調査しているんですよ。ここ小蘭島には50ほどの小遺跡が残っていましてね。年代と様式を分類するだけで一仕事です。もう何度足を運んだことか・・・」

アイディア60% → 成功

KP「では、川越さんはこの人のいっていることが、自分の知識から見て間違いではないので、どうやらほんとうに学者らしいと納得することができます」

川越「ファンブルからの解放」

バウマン「では、私はこれで。次の遺跡も確認しておきたいので」

郁三「おや、そうですか。ではまた夜にでもお話聞かせてください」

川越「俺も研究者の端くれですから、お気兼ねなく、面白い話聞かせてくださいね」

KP「といったところで、バウマンさんは一時退場です」 

 

 

タオ族に伝わるアニト伝承

郁三「それで、調査も行われたりするということは、なにか面白い伝承でもあるんですか?」

志男「では、カヌーを前に小話をひとつ・・・」

タオ族のカヌーとアニトの島

タオ族にはタタラという小型カヌーの他にも、チヌリクランという大型カヌーがあります。しかし、その昔、これを凌ぐアバンという超大型カヌーが使われていました。その頃ははるか先のフィリピンはバタン島まで交易を行っていたと伝わります。

そんなカヌーはタオ族の文化の中心と言ってもいいでしょう。その証拠に、タオ族では亡霊(アニト)もカヌーに乗ると言われています。亡霊船は海の向こうにあるというアニトの土地からやってくると伝わっています。そうして、アニトは私たちに災いをなすのです。

郁三「川越さん、ハカセのシナリオは初参加ですか?」

川越「そうですけど、『忘却の結末』は読みましたよ」

郁三「なら話が早いですね。たぶん、この伝承も実際の伝承ですよ」

KP「さすが察しがいいですね。その通りです。島に残る石器文明遺跡の数、アニトの伝承、カヌーの種類、すべて文献調査からの引用です」

川越「ああ、これが噂の・・・」

 

郁三「佐藤さん、『アニト』って、どういうものなんです?」

志男「ああ、本土の言葉で言うなら、亡霊とか、精霊とか、悪霊というのも間違いではないかもしれませんし、あるいは『祟』なのかもしれませんね」

川越「亡霊? そんなものがほんとうに悪さをするんですか?」

志男「いえ、あくまで伝承ですよ。伝承では、海の向こうのアニトの土地と、ちょうどほら、この山の奥にアニトの住処があるらしいです。つまり、下手に海に出たり、山に入ったりすると、痛い目見るぞ、と言う話です」

郁三「なるほど。日本でいう山男や海坊主みたいなものですかね」

志男「ええ、そういうものと思っていいと思いますよ」

シークレットダイス → ???

KP「郁三さん、あなたはどうにも、佐藤志男さんがなにかを隠しているような、そんな印象を受けます」

 

 

Part.3へつづく

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