読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

TRPGをやりたい!

TRPGのトビラをひらこう!

謎解きクローズドシナリオの設計【クローズド構築ノート2】

テクニック シナリオライティング

クローズドシナリオの設計思想を種類別に整理してノートにまとめておく記事の第2回。オープンな自由探索シナリオとは全く違ったノウハウが要求されるクローズドシナリオの方法論を、シナリオスタイル別に整理していきます。

今回も当然、前提となっているのはクトゥルフ神話TRPGです。

 

第2回の今回は、クローズドシナリオから物語の問題を抜き去ることに成功した画期的なシナリオスタイル、リドル(謎解き)シナリオのテクニックを整理します。

謎解きシナリオは、初めに提示された謎かけを解くために、クローズドサークルの中をウロウロと探索するスタイルになります。それゆえ、注意するべきなのは、探索者が情報を取得する順番が指定されていないため、物語的展開にはやや欠けるということです。

以下、このスタイルでのシナリオライティングを細かく整理してみましょう。

 

メニュー

1.謎かけはディナーの前に?

2.はうとぅーらいと

3.謎解きシナリオの難点

4.慣れたら他と組み合わせよう

 

1.謎かけはディナーの前に?

例を通して謎解きシナリオの仕組みを整理していきましょう。

謎解きシナリオの形式を利用した面白いシナリオの典型的な形式は、パズルミステリーです。

謎解きの基本形は数学にあります。目標となる呪具や儀式、鍵、合言葉などの「シナリオクリアキー(K)」を実現するために、様々な要素がクローズドサークルの中に分割して配置されています。それゆえ、もっとも基本的な形は「A+B=K」という形をしています。

A:初めから手に入る道具の断片。しかしクリアには不十分

B:探索の中で手に入る解決のための追加要素

K:完成したクリアキー

もちろん逆に、Bを引き算しないとまずいことになるシナリオも作れます。

いずれにしても重要なのは、シナリオのかなり早い段階で「Aだけでは不十分なのでBを探しましょう」という意味のメッセージ(M)を表示することです。ここでBを明示せず、曖昧な物言いで謎かけにもちこむのが定石となります。

これを提示することによって、プレイヤーは「Bを探して特定する」というシナリオの趣旨を理解し、シナリオの全体にわたって謎解きと向き合って行動することができます

 

 

2.はうとぅーらいと

謎解きシナリオでもっとも重要なのは、手に入れた「Bらしきもの」が間違いなくはじめのヒントに登場する「B」そのものだと判断する手段を用意することです。

従って、配置される要素は次のように記号として分解できます。

A:はじめから手に入るクリアキーの断片

M:Aが不十分でありBを探すよう指示する情報

B:ヒントと合致する性質があるものの、不確定なもの

C:間違いなくBであると断定する保証情報

この最小限の要素に、様々な追加要素を付加することで、シナリオが構成されていきます。

たとえばBをどこかに隠すなら、その場所を示す情報を追加。Aの性質がそもそも不明なら、その性質を説明する情報を追加。Bを作るために二つのものを組み合わせる必要があるなら、それらを分割して配置…。などなど、様々な方法で要素を増やしていくことになります。

 

 

3.謎解きシナリオの難点

謎解きシナリオ設計の難しさは、設定上の問題と謎解き上の必要が対立してしまう場合があることです。閉ざされた空間になぜ脱出のヒントが用意されているのか? どうして密室はこんなにも不完全なのか? なぜ探索者はこんなところに投げ込まれたのか? そういう設定上の問題と、謎解きシナリオとして必要な情報とが喧嘩してしまい、うまくシナリオに組み込めなくなってしまうことがあるのです。

また、記号で考えることに慣れないうちには、つい独りよがりな謎解きを仕組んでしまいがちです。いわゆる「KPの脳内あてゲーム」に陥ってしまうようでは、プレイヤーがシナリオを楽しむことができません。できるだけシンプルな構造を意識するために、結局やりたいことは「足し算」なのか「引き算」なのかを前提にして、丁寧にパズルを組みましょう。

そして何より一般にプレイヤーを募集する前に、友人や以前から知り合っているプレイヤーにテストプレイをお願いしましょう。どういう誤答がありうるのか、テストプレイを通じてパズルの精度を確かめておくためです。自分がどんなにヒントを与えているつもりでも、あるいはどんなに唯一無二の解決手段を示しているつもりでも、他の人にしてみればまったく解決できない難問に見えてしまうことはよくあります。それを確かめる方法は、テストプレイ以外にはありません。

 

 

4.慣れたら他と組み合わせよう

謎解き形式ならば、物語の起承転結を意識する必要はありません。謎解きを楽しむのがセッションのメインになるので、下手に物語を組み込むと謎解きから意識が逸れてしまったります。それでも、多少なり劇的な展開を入れたいという方は「謎解き展開に沿った物語」を意識しましょう。

たとえば、謎解きの要であるAやBを人間にしてみましょう。生贄を捧げなければならなかったり、自分自身に恐ろしい何かをしなければならなかったりすれば、プレイヤーたちの選択が直接に物語へと昇華してくれます。これは同様に、他の情報(ヒントメッセージMや保証情報Cなど)に人間や動物を据えることでも演出することができます。

 

また、すでに言及したように、キー形式やフレキシブルシナリオ形式を組み合わせることで、重要な情報を手に入りにくくすることを推奨します。せっかくの謎解きでも、開始してすぐに重要な情報が手に入ってしまうと面白くありません。その情報は技能を使って乗り越えたり、ほかの情報や道具を使って手に入れなければならなかったりするように工夫しましょう。

 

 

このように謎解きをシンプルな数式に落とし込んで、そのロジックが複雑すぎないかを意識しましょう。まずは謎解きを完成させた後に、様々な演出を加えながら、テストプレイをして完成度を高めましょう。

謎解きシナリオは楽しめるシナリオとして完成させるのは、なかなか難しい作業です。しかし品質の高いものが完成すれば、多くのプレイヤーに親しまれるシナリオになることでしょう。慎重に丁寧に、謎解きシナリオのライティングにも挑戦してみてください。

 

 

trpg.hatenablog.com