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ウィルダネスアドベンチャーで全マス踏破させないために

先日、初めてウィルダネスアドベンチャー形式のシナリオを利用したマスタリングを行いました。ウィルダネスアドベンチャーは、シナリオを用意するのが簡単な形式なのですが、その分マスタリングが困難な形式でもあります。

今日はウィルダネスアドベンチャーという形式の特徴と課題、その克服方法について考察を行っておこうと思います。

 

メニュー

1.ウィルダネスアドベンチャーとは

2.資源と探索限界

3.マップサイズによる調整

4.イベント配置による調整

 

 

1.ウィルダネスアドベンチャーとは?

そもそもウィルダネスアドベンチャーとはどんなものなのでしょうか?

TRPGの3大シナリオスタイルのひとつで、Wikipediaにもこれを解説したページがあります。→ウィルダネスアドベンチャー - Wikipedia

つまりは、道無き道を進みながら、野生生物と遭遇したり天候変化や夜の闇に警戒しながら目標を達成するスタイルです。あらかじめ通路が設計されているダンジョンアドベンチャーに対して、踏破性が低く、サバイバル要素が強調されたものとも言えます。

ウィルダネスアドベンチャーが利用される舞台としては、広大な砂漠や荒野、あるいは山林でも利用することができます。多くの場合こうした環境が残されていない現代や未来を舞台にしたTRPGシステムではまったく利用されず、ファンタジーものに特徴的なスタイルとも言うことができます。

 

具体的な進行としては、広大な領域をエリアとして区切った方眼状のマスを利用することが多くなります。マスを移動するたびに時間が経過し、天候が悪化したり日没が迫ったりして、プレイヤーたちの冒険を邪魔します。場合によっては、マスの移動それ自体に地図や地形処理の判定を要求し、失敗すれば自分たちの現在地を見失うという展開も可能です。

こうしたシステムを付加的に利用することで、自然環境の過酷さを表現するシナリオスタイルがウィルダネスアドベンチャーなのです。

 

 

2.資源と探索限界

さて、ダンジョンアドベンチャーが「踏み込めない領域(=壁)」を作ることによってプレイヤーの行動を制限するのに対して、ウィルダネスアドベンチャーでは資源の枯渇や天候の悪化、凶悪な野生生物の徘徊などがプレイヤーの行動限界を形作ることになります。

 

それゆえ、次の資源の保有量がシナリオ全体の長さを左右します。

  • 保存食料
  • 飲料水
  • 回復薬類

ウィルダネスアドベンチャーを実施する際には、プレイ前にこれらの資源量を確認しておく必要があります。

そのうえで、あまりに長期の滞在とならないように、これらの資源を削り取ることを意識したイベントを配置しなければなりません。プレイヤーたちに長期滞在を困難にさせる仕掛けがないことには、プレイヤーたちはそこで延々と狩りを続けてしまいかねないからです。

 

 

3.マップサイズによる調整

ウィルダネスアドベンチャーであっても、マップの探索限界を用意する必要があります。無限に広がる方眼を使ってしまうと、プレイヤーたちは困惑してしまうことでしょう。おおむね4×5程度を限界と考え、4〜3×4〜3程度の方眼マップを整備しましょう。

 

したがって、ウィルダネスアドベンチャーでは10以上のポイントが生成されることになります。探索対象の部屋がせいぜい5つ程度にとどまるダンジョンアドベンチャーとは好対照をなします。全踏破を目指すダンジョンアドベンチャーとはまったく主目的が違うという点を強調して、プレイヤーたちと共通認識を作らなければなりません。

とはいえ、それでも全踏破を行うことはシステム上可能なのは事実です。もしもプレイヤーが全踏破を目指そうとした場合に、それを責める権利はゲームマスターにはありません。プレイヤーに空気を読んでもらわないと成立しないシナリオは、やはりシナリオとしては欠陥を抱えているというほかないでしょう。

 

 

4.イベント配置による調整

そこで重要な役割を果たすのが、イベント配置です。イベントは資源を削ることを目的に配置され、プレイヤーたちに探索限界をゲーム内効果として実感させる役割を果たさなければなりません。

有効な方法は次の3通りです。

  1. 撃破不能な強敵の出現
  2. 天候や地形の大幅な変化を予言
  3. 持ち込める保存食の量を制限

第一の方法は、事前あるいは探索中に強敵の存在を明示することで、プレイヤーたちの行動を制限する方法です。明らかに格上の敵に蹂躙される危険性が明示されれば、プレイヤーたちは目的の達成に意識を集中し、速やかに帰還するプランを実行してくれることでしょう。

第二の方法では、例えば豪雨や台風の接近、あるいは火山の噴火や砂嵐の到来などが予報されていて、その前の残された時間で任務を遂行しなければならないという形式での時間制限の設定です。あるいは、特定の生物種が大移動してくるなども利用することができるでしょう。

第三の方法はやや無理があります。保存食などのルールは別に定められていることも多く、保有量をこのシナリオのために制限するのはプレイヤーたちの不評を買う恐れすらあります。それでも、滞在日程に制限をつける上では非常に有効な戦略です。なんなら、遭難している人物に遭遇して食料を分け与えさせる(強奪される)などすれば、自然に食料制限を作ることも可能です。

 

ウィルダネスアドベンチャーを利用する場合、これらの手段を複合的に組み合わせてシナリオメイキングすることを推奨します。どれか一つだけの制限では、プレイヤーたちの機転やダイス神の戯れによって打ち破られる可能性があるからです。

 

いずれにしても、ウィルダネスアドベンチャーはプレイヤーにもゲームマスターにも多くの計算処理的負担をかけるシナリオスタイルです。資源管理や時間管理といった計算処理的要素を楽しめるプレイヤーとそうでないプレイヤーははっきりと分かれます。自分たちの卓の雰囲気を見ながら、これらの要素を調整して最適なバランスを作るよう心がけましょう。