【ボドゲ紹介】手に汗握るチキンレース!【キャントストップ】
昨日、ついに念願のボドゲを始めました。
初めてプレイしたボドゲは、「キャントストップ」。非常にシンプルなルールにもかかわらず、大人から子供まで、手軽に楽しめる、見事なゲーム設計です。
ボドゲ初体験にもかかわらず、レビューなんておこがましい…それは事実なのですが、この興奮をテキストにせずにはおれません!
それくらい、楽しかったんです。
今日は、キャントストップのルールと、そのゲーム性を紹介します。
1.山を駆け上れ!サイコロ任せのチキンレース!
このゲームの目標は、山を登ることです。
11個の登山コースのうち、一番初めに3箇所を踏破したプレイヤーが勝利をつかみます。
登山のプロセスは、ターン性のダイスゲームとして仕上がっており、プレイヤーは順番に、4つの6面ダイスを振ります。
4つの6面ダイスを振ったら、サイコロを二つの組に分けます。
たとえば、(1、3、4、6)が出たとしましょう。
二組に分けると…
(1、3)、(4、6)=4、10
(1、4)、(3、6)=5、9
(1、6)、(3、4)=7、7
という3種類の組み合わせができます。
プレイヤーは、このうち一つの組み合わせを選択することができます。
…勘の言い方なら気づきましたね?
『11個の登山コース』とは、この組み合わせの結果うまれる、2〜12までの11種類のダイス目に対応しています。
もちろん、登山道の長さは、確率に応じて変化します。7番の登山コースが一番長く、2番と12番の登山コースはたったの3マスしかありません。
プレイヤーは、3つの組み合わせのうち一つを選んで、ダイス目に対応した登山道を、1マスずつ駆け上っていくのです*1。
これだけなら、順番にサイコロを振るだけの、運試しゲームですよね?
キャントストップの面白さは、ここからなんです。
プレイヤーは、自分の手番に、好きな回数ダイスロールを行うことができます。
その代わり、プレイヤーが一度の手番に進ませることができる登山道番号は、3種類だけです。
もしも、ダイスの結果が、3つの登山道のどれにも対応していなかったら、その手番に進んだ分は、すべてなかったことになります。
この三つのルールが、プレイヤーをチキンレースに誘います。
プレイヤーは、1度目のダイスロールで、1箇所から2箇所の登山道を選びます。
そして、たいてい、次のダイスロールで、3つ目の登山道も選ばれます。
そこからは、好きなだけダイスを振ることができます。
ただし、大失敗のリスクを抱えているため、どこかでプレイヤーはストップを宣言しなければならなくなるでしょう。
たとえば、先ほどのダイスの結果、
(1、4)、(3、6)=5、9
を選んだとしましょう。
プレイヤーは、5番と9番の登山道を1マスだけ、進むことができます。
ここで、もう一度ダイスを振った結果から、
(1、1)、(5、6)=2、11
の組み合わせを選んだとしましょう。
このとき、プレイヤーは、すでに、5番と9番、2つの登山道を駆け上っています。つまり、あと1箇所の登山道しか、この手番に進めることができません。
プレイヤーは、2番か11番を選ばなければならないのです。
ここで、2番を選んだとしましょう。
次のダイスで、
(1、3、3、3)という組み合わせがでました。
ここから作ることができるのは、4と6だけですね。
しかし、このターンに選んだ3つの登山道は、2番・5番・9番です。
どこも進めることができないダイス目を出してしまったら、強制的に手番は終了します。
そのうえ、そのターンの登山成果は全部チャラです!
ダイスの結果がどの登山道にも対応できないとき、『滑落』が発生します。
『滑落』とは、つまり、このターンの登山成果を全部チャラにするというものです。
「ダイスは何度振ってもいい。
しかし、一度でもハズレの出目を引いてしまえば、成果は全部無駄になる。」
何度もなんどもダイスを振って賭けに出るか、それとも、少しずつ着実に登山するか。
プレイヤーは、いずれかを選ばなければならないのです。
2.シンプル、だけど素晴らしいゲーム性
プレイした感想を一言で言えば、感動しました。
こんなにコンパクトに、面白さを切り取ったゲームがあるのかと、目から鱗の出るような感動を覚えました。
このボドゲの魅力は、
賭けごとの刺激を最小限の装置で切り取った
という点にあります。
自分の運を信じてもっと押すか。それとも、大きなリスクを犯さず手堅く攻めるか。
そんな駆け引きを演出するために使っているのは、四角い登山ボードと6面ダイス4つだけ。
幸いにして、TRPGのプレイテーブルには、6面ダイスがたくあんありますよね?
そうなんです、このゲーム性、TRPGに直接輸入できるかもしれないんです。
それだけではありません。
4つのダイスを振って、その組み合わせを選んで判定に用いるという操作を軸にした、新しいTRPGルールスタイルも構築が可能かもしれません。攻撃の威力をブーストするかしないか、自分で判断したいプレイヤーは、わりといるのではないでしょうか?
そんなプレイヤーたちのために、ただのダイス運ではなく、『賭け要素』のあるダイスロールシステムとして、このシステムは非常に魅力があると感じます。
多少操作が煩雑になるのが残念ではあるのですが、慣れてしまえば、非常に特徴的で魅力的なTRPGルールとして楽しむことができるかもしれません。
*1:ただし、(7、7)の組み合わせが出たら、7の登山道を2歩進めます。