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ソード・ワールド2.0のシナリオの書き方:難易度1

『ソード・ワールド2.0』は、ルールブックにおいて、シナリオの自作が強く推奨されているTRPGルールです。そうはいっても、プレイヤーである友人たちを楽しませるだけのシナリオを作ることができるのか、自信がない方もいることでしょう。

 

そこで今回から、『ソード・ワールド2.0』に特化した、シナリオ作成の手引きを整理しておくことにしました。あなたもシナリオを作ってみて、みんなでプレイしてみましょう。

 

今日のテーマは、コンパクトなショートシナリオの作成です。

 

メニュー

手順1:シナリオの骨組み

手順2:プレイヤーのレベルとボス戦

手順3:戦地の決定とシナリオの目的

手順4:移動と探索

手順5:雑魚戦闘の決定

 

 

手順1:シナリオの構造をイメージしましょう

はじめに、『ソード・ワールド2.0』のシナリオがどうやって作られているのか、イメージを持っておきましょう。

まず、ゲームシナリオには、必ず開始点と終着点があります。これをスタートとゴールと呼びましょう。『ソード・ワールド2.0』の場合、スタートは大抵〈冒険者の酒場〉のシーンです。そして、シナリオの終了は大抵ボス戦です。

 

TRPGシナリオは、この2つのポイント、スタートとゴールを結ぶ、ひとつのレールを敷いてあげることで、完成します。まずはそのレールを、すごろくのマスのようなものだとイメージしてみてください。

 

スタート■□□□□■ゴール

 

 

プレイヤーたちはこのマスをひとつひとつ進んでいくことになります。あなたがやるべきことは、これらのマスに、具体的なイベントを差し込んであげることです

 

 

手順2:プレイヤーのレベルとボス戦

シナリオの全体的イメージを把握したら、ゴール、つまり、ボス戦の相手を決めましょう

 

はじめに、プレイヤーたちのレベルと人数を確認しましょう。

冒険者たちの平均レベルを基準にして、

人数が多い(5人以上)=2〜3レベル上の敵をボスに
人数が少ない(4人程度)=1〜2レベル上の敵をボスに

という具合に決まります。

ただし、水中適性のない冒険者に水中戦を強いるなら、自分と同じレベルの敵でも十分にボスになりえます。また、魔法を習得している敵は、レベル以上の強さを発揮することがあるので、ボスにするときにはレベルを控えめにとるように心がけてください。

 

ボスは、3冊のルールブックの敵サンプルから選びます。このとき、サプリメント『バルバロステイルズ』があるなら、作業は格段に効率化されます。 

ソード・ワールド2.0サプリメント  バルバロステイルズ

ソード・ワールド2.0サプリメント バルバロステイルズ

 

 

 

手順3:戦地の決定とシナリオの目的

さて、ボスが決まったら、その種族と生息地を確認してください

 

ここではサンプルとして、レベル4の動物、「ゴルゴル」を採用しましょう(『ルールブックⅡ改訂版』268ページに収録)。

ゴルゴルの生息地は「森」なので、シナリオの舞台は森で決定です。冒険者たちは、街から森に赴いて、ゴルゴルを討伐して帰還します。

 

一応、これだけでもシナリオの体裁を持ってはいるのですが、まだまだプレイするには不十分です。一体なぜ、ゴルゴルは討伐されるのでしょうか?

『ソード・ワールド2.0』のありがたいところは、多くの場合、敵の討伐理由が一言で済む点にあります。

 

「なぜなら蛮族だから。」

 

しかし、敵は蛮族だけではありません。動物をボスに採用すると、討伐理由が必要になります。

ここでは、「近隣の村の里山に、ゴルゴルがやってきて、村人たちが困っている」という、シンプルな理由を採用しましょう。これで、スタートの場面も具体的に描くことができます。

近隣の村から、大きな街の冒険者の酒場に、ゴルゴルの討伐依頼が入っており、酒場のマスターからその仕事を斡旋されるシーンが、シナリオのスタートです。

 

 

手順4:移動と探索

シナリオの残りの要素は、移動と探索、そしてザコ戦闘で構成されます。

 

スタート■□□□□■ゴール

 

空白の4マスに、「移動」「探索」「戦闘」を自由にセットしていきましょう。
たとえば、

「探索」「移動」「探索」「戦闘」

という組み合わせで入れてみましょう。

 

このパターンでは、村に移動する前に、なんらかの情報を得るために行動するシーンが必要になります。

「ゴルゴルの生態を調べて、敵が群れなのかどうか確かめる」というのはどうでしょうか? 調べ終わったら、村に「移動」するシーンを挟んで、次の「探索」が開始されます。今回は、「ゴルゴルの住処を探す」というのが探索の中身になるでしょう。

 

こうやって、シナリオカートリッジの中身を具体化する方法なら、比較的容易に、シナリオを設計することができます

 

 

手順5:ザコ戦闘の決定

ショートシナリオ構築の最後に、ザコ戦闘を用意してみましょう。

冒険者たちの平均レベルと同じ程度の敵を、パーティ人数より少し少ない程度出してあげると良いでしょう。

今回は舞台が森なので、生息地に森が含まれる敵を選びましょう。そうですね、「ウルフ」と「キラークリーパー」あたりを組み合わせて出すことにしましょう。

細かい敵の編成は後で決定するとして、これでシナリオの全体が見えてきましたね。一度整理しておきます。

 

スタート■■■■■■ゴール

スタート「冒険者の酒場でゴルゴル討伐の依頼を受ける」
探索1「ゴルゴルが群れで移住するのかどうか調べる」
移動「被害の出ている村まで移動する」
探索2「ゴルゴルの縄張りを探す」
戦闘「森の生物たちと遭遇して、小さな戦闘になる」
ゴール「ゴルゴルを討伐して目標達成!」

 

 

ここまで決められれば、一応、シナリオとして遊ぶことはできます。しかし、まだまだシナリオとしては品質が悪いと言わざるを得ないでしょう。

 

次回、シナリオ作成の第二ステップの解説を行おうと思います。

 

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