【クトゥルフ神話TRPGリプレイ】忘却の結末【part.12】
【前回のあらすじ】
滝原馨は、どうやら正気を保っていた。さらに、鬼子とハルカについて、情報をよく整理しており、ハルカを救うために必要な行動とその理由を明確に持っているようだった。
宇宙的真理話に花が咲いた二人は、意気投合し、今回の問題について協力関係を構築することで同意する。伏原、ハルカ、そして滝原の3人は、彼らの望む結末にたどり着くことができるのだろうか…。
滝原からの依頼
滝原「さて、それじゃあ、作戦会議を始めましょうか。」
伏原「はい。まず、これまでの話をまとめると、私は夢の世界で二つのことをしないといけませんね。八宮神社へ行って、上毛野家の不思議な人物と会うこと。そして、経津主神を探し出して、情報を探ることの二つです。」
滝原「まさしく、それが私から依頼したかったことです。」
伏原「これらのことを通じて、可能なら、夢と現実を行き来する方法を探り出せれば、事態は大きく進展しますね。」
滝原「はい。二人の三人では、大違いですから。それに、もしも道具を持ち込むことに成功すれば、鬼たちと戦うのも容易になるでしょう。」
伏原「ハルカちゃん。僕たちはお友達と戦わなきゃならないんだけど、大丈夫?」
ハルカ「…私を夢の大間々から逃がすため?」
伏原「そう。こっちの世界で、ずっと美味しいもの食べられたら、その方がいいでしょ?」
ハルカ「…うん、でも…。」
滝原「相手は神です。たぶん、それはハルカが一番理解しているでしょう。」
伏原「つまり、たかが人間二人と鬼一人が敵う相手ではない、と。」
滝原「はい。ですから、せめて経津主神だけでも、なんとかしなければなりません。」
伏原「経津主神“だけ”って、それこそ本丸じゃないですか。」
滝原「いえ。もっと上がいます。十二様、あるいは、スブニと呼ばれている山羊神です。」
伏原「…スブニ?ジュウニではないんですか?」
滝原「いえ、これは私の推測に過ぎませんから、間違っているかもしれません。とにかく、その山羊神との戦いだけは、避けなければなりません。もし戦うことになってしまえば、おそらくその時、私たちの命は…。」
伏原「わかりました。では、門が見つからない限り、経津主神に会っても交戦は避けます。こちらの意図を見透かされでもしなければ、手を出してくることはないでしょう。こっちは、向こうの都合で訳の分からない仕事をさせられているんですから。」
滝原「私の時には、十二神社から北に行った、浅原地域で出会いましたから、ハルカがこの仕事に遣わされている間は、その辺りにいるのかもしれません。」
伏原「では、今夜は八宮神社、明日は浅原に赴いてみましょう。」
滝原「よし、それじゃあ、今から夜までの間は何をするんです?」
伏原「私は、木ノ宮神社に参拝しようかと思いますが…。」
ハルカ「まだ鬼子は連れて行かないんだよね?」
伏原「うん、ただ、現場を見ておきたいって言うだけだよ。」
滝原「それなら、私とは別行動になりますね。私はこのあたりの赤城神社をかたっぱしからあたってみることにします。」
木ノ宮神社への参拝
KP「というわけで、滝原さんと別れた後、ハルカと一緒に木ノ宮神社に向かいましょう。」
伏原「あーっ、やっと疑問点が解消され始めたぞ!」
KP「途中から思考放棄してたじゃないですか。」
伏原「いや、これ、まだ私のプレイヤースキルじゃ無理ですよ。」
KP「確かにそうかもしれませんね。でも、例えば地図上には、『東国歴史文化街道』とか書かれていましたし、すぐ南に岩宿遺跡があるという説明も(リプレイ外で)しましたから、歴史博物館なりが存在するか地図上で確認したいと宣言することだって十分できたはずですよ。」
伏原「クトゥルフでの調査地として、新聞社と図書館くらいしか思い浮かばなくって。」
KP「なんにせよ、今回は、地図上に施設が増えていく、アドヴェンチャゲームのスタイルを採用しています。ですから、地図上の施設検索の宣言は結構重要ですよ。いいアイディアだと思ったら、実在しなくても街の中に配置してあげますので。」
伏原「でも、次にすることは滝原さんが教えてくれました。北へ進んで木ノ宮神社です。」
KP「はい。では、ハルカを乗せて車を走らせ、件の浅原地域を通り抜け、川沿いの細い道を進んでいきます。すぐにあたりには人家もなくなり、ただただ放置された山裾の雑草たちが生い茂るばかりの状態になります。そこを進んでいくと、あたりに2、3軒の放置された廃屋がある一角に、小さな小さな鳥居と、拝殿が残されています。というわけで、これもスクショをどうぞ。」
伏原「これが…。」
KP「あなたはすぐに気づきますね。こんな人里離れた神社にしては、その作りが非常に凝っています。」
〈歴史〉ロール → 失敗
KP「どう凝っているのかはわかりませんでしたが。」
伏原「あ、お供え物にお饅頭買ってきたってことでいいですか?」
KP「ええ、そのくらいは。」
伏原「では、本殿でお供えできそうなところに、お饅頭を置いて、それに顔を描きます。」
KP「は?」
伏原「さらに爪楊枝でツノをつけて、こう言います。」
「オニゴーッ♪」
KP(テキストでは分かりにくいネタを…)「あなたがそう言うと、ハルカちゃんが大喜びしますね。」
ハルカ「オニゴーッ♪」
伏原「これで鬼子を納めたってことにならないかな?」
ハルカ「ならないでしょ。」
伏原「やっぱり?とにかく、まずはちゃんと参拝しましょ。(二礼二拍手一礼)」
ハルカ(二礼二拍手一礼)
伏原「ゥゥオニゴー♪」
ハルカ「オニゴー♪」
伏原「よし、調べよう。まず、ケータイで、木ノ宮神社について調べます。」
〈図書館〉ロール → 成功
KP「はい、では、この神社について、何も言い伝えが残っていないにも関わらず、みどり市の重要文化財である、稲荷神社と同じ、一間社流造(いっけんしゃながれづくり)をしている、数少ない神社であることがわかります。本殿の全体に彫刻が施されている、という意味だと思ってくれれば大丈夫です。あと、稲荷神社はシナリオとは無関係です。」
伏原「つまり、この神社に関する本作中での伝承は、KPの妄想、ということか…。」
KP「言わんでいい。」
伏原「あたりに人の気配はないんですよね?」
KP「〈目星〉でも振りますか?」
〈目星〉ロール → 成功
KP「どうやらいないようですね。」
伏原「なら、この本殿、開いてみます。中に何があるのか。」
KP「わかりました。中には、蛇が二匹絡み合ったような彫像が置かれていますね。片方の口が開き、他方は閉じています。」
伏原「こんな西洋風な像が神社に置いてあるなんて…。」
KP(あれ?説明しなかったけ?)「知識ロールしてください。」
〈知識〉ロール → 成功
KP「中国の最も始めの神、伏犠と女媧も、全く同じ姿をしていることに思い至ります。また、これまでの古代動物信仰に関する調査から、蛇の絡み合った姿は、日本の古代蛇信仰の典型的なモチーフで、現在しめ縄にも採用されているということに思い至ります。」
伏原「そうなんですか!?蛇が絡み合っているのなんて、ゲームのファンタジーとかでしか見ないから、てっきり。」
KP「世界中で古代に見られるスネーク・カルトにおける典型的モチーフです。西洋圏なら、邪教の象徴といってもいいんじゃないですか?よく調べてはいませんけど。」
伏原「よし、滝原さんに分析を任せよう。写真を撮って、滝原さんに送っておきます。」
KP(その行動で、ほとんどエンディングが定まってしまうんですけどねぇ…)「了解です。」
お前は一体何をやっているんだ
ハルカ「おにーちゃんは、すぐに鬼子、連れて来ちゃうの?」
伏原「いいや。ハルカちゃんの本当のお兄ちゃん、経津主神を殴りに行くよ。」
ハルカ「でも…経津主さん強いよ?」
伏原「いやいや、ハルカちゃん。まだお兄ちゃんが戦ってるとこみたことないでしょ?」
伏原「キーパー、あたりに板ありませんか?」
KP「面白そうなので、あったことにしましょう。」
伏原「キックで叩き割りますよ。」
KP「武道+キックじゃなくていいんですか?」
伏原「板くらい余裕でしょう。」
ダメージロール1D6 → 2
KP「激しい音がなりますが、割れはしませんね。」
伏原「ね、ハルカちゃん。こんなに硬い板だって、お兄ちゃんが本気を出したら、簡単に割れるんだよ?」
KP(こいつ…口先で誤魔化しやがった…!)
ダメージロール1D6 → 2
KP「激しい音がなりますが、割れはしませんね。」
伏原「痛っ…くなんてないぞ!ね!ハルカちゃん、硬いでしょ!すごく硬いでしょ?」
ハルカ「私もやるー」
伏原「硬いぞー、すごく硬いぞー。」
KP「ハルカちゃんが頭突きで割ろうとします。」
ダメージロール1D4 → 2
KP「ゴッと鈍い音がなって、ハルカちゃんが頭を両手で押さえます。」
ハルカ「痛〜い(泣)」
伏原「ね!硬いでしょ?でもね、お兄ちゃんの手にかかればね!」
ダメージロール1D6 → 1
KP「割れませんね。武道出せよ、武道。」
伏原「くっ…なんて強靭な板なんだ…。」
KP(なんて振るわないダイス運なんだ…。)
ハルカ「次わたし!」
ダメージロール1D4 → 4
KP「ハルカちゃんの頭突きで、板が割れます。」
ハルカ「やったー!板やっつけたー!」
伏原「やったー!よーし、お家に帰るぞー!」
ハルカ「帰ろー!」
KP「と、目的を忘れて二人ではしゃぐわけですね。」
伏原「なんで板なんて割ろうとしたんでしたっけ?」
KP(こいつ…笑)