MacユーザーでもTRPG動画が作りたい!
魔理沙「霊夢、霊夢〜。私もTRPG動画作りたいんだぜ。早速クトゥルフ神話TRPGのルルブを買ってきたんだぜ!」
霊夢「魔理沙、私はこの光景を何度見てきたと思ってるの…?」
魔理沙「何を言ってるんだぜ、霊夢?私がルルブを持ってくるのは初めてなんだぜ?」
霊夢「いえ…別の世界線のことはよしましょう。」
魔理沙「何でもいいから早くプレイするんだぜ!」
霊夢「ちょっと待ちなさいよ。あんた、『TRPGがプレイしたい』じゃなくて、『TRPG動画を作りたい』って言ったわよね?」
魔理沙「そうだけど、まずはプレイしないと始まらないんだぜ!」
霊夢「あんたの家って、たしかMacしかなかったわよね?」
魔理沙「そうだけど、何か問題あるのか?Macは映像編集のプロも使っているって噂の高性能機なんだぜ!問題があるわけないんだぜ!」
霊夢「……あんた、本気で言ってるの?」ゴゴゴ…
魔理沙「れ、霊夢、どうしたんだぜ?」
霊夢「Macではニコ動の動画投稿者が使っているフリーソフトの大半が使えないってことくらい、知ってて言ってるのよね?」
魔理沙「な、なんだってーー!!!」
…という茶番。
そう、Mac OSユーザーにとって、みんなが作っているようなTRPG動画を作成するのは至難の技です。
ゆっくりが勝手に瞬きして、口を動かしてくれるゆっくりmoviemakerや、それによって作成した素材を投げ込んでエフェクトを加え、動画として編集するAviUtlなど、ニコニコ動画の投稿者たちを縁の下で支えている、優れたフリーソフトは、すべてwindows専用なのです。
それだけではありません。ゆっくりの音声を合成する旧yukkutalk、現nicotalkも、windows専用。さらに、Voiceroid+やCeVIOなどの高機能な音声合成ソフトもwindows専用です。
wine等を使って仮想環境で動作させればいい?確かにそうかもしれません。
しかし、もし自分にその環境を整備する能力が足りず、ソフトの買い損になってしまったら…その考えがよぎるだけで、動画作成の敷居はぐんと高くなってしまいます。
今日はそんなみなさんのために、何を隠そうマックユーザーのこの私が、動画投稿を始めるまでに経験した様々な障壁を、一つ一つ解説してきましょう。
1.ゆっくりさん、話してください
動画投稿を考え始めるよりもずっと前の時点で、私は音声読み上げソフトを漁っていた時期がありました。英語や中国語の文献を代わりに音読してもらい、それを聞きながら読むと、読む速度が格段にアップするという経験をしたからです。
そのとき、日本語ではどうなんだろうと思って、Macにデフォルトで搭載されているKyokoさんとOtoyaさんを試してみたほか、ニコ動で聞き慣れていたゆっくりボイスを導入しようと思ったのです。
すべての障壁は、ここから始まりました。
まず、ゆっくりボイスを生成する最も有名なソフトウェア、yukkutalkシリーズの最新ヴァージョンであるnicotalkシリーズが、Mac上では稼働してくれません。
ゆっくりさんに話してもらうことすらできないのか!?
驚いた私はすぐに検索ワードに『Mac』と加えます。
そしてでてきたのが、『Yukkuroid』というソフトウェアです。こちら、Macでそふとーくエンジンを起動させるソフトウェアで、いわゆるゆっくりボイスを生成し、ファイルとして保存することができます。
使い方もシンプルでわかりやすいので、まず操作できないということは起こらないでしょう。
2.僕は結月ゆかりさんの声が聞きたいんだ!
やっと、ゆっくりさんが話してくれました。
しかし、すぐに次の問題にぶちあたります。
明らかに、声のヴァリエーションが少なすぎるんです。収録されているのは13種類。ロボ声とかにも対応しているのはありがたいのか、枠の無駄遣いなのか…。
最近になって、動画作成をしようと考え始めたとき、この声数の少なさには悩まされることになりました。
つまり、一つの動画シリーズに13人までしか登場できないことを意味します。しかも、ロボ声やハスキーなど幾つかの声質は明らかに聞き取りにくい。そして声質の都合上男性と女性の登場人数まで制限されてしまいます。
こんなことでは、TRPGシナリオの方でも登場人物が制限されてしまいます。
これは困ったな…。
そうだ!ゆかりん使おう!ゆかりんカワイイからね、僕が自由に話させてあげられるなんて、なんて僕は幸福なんだろう!
声に音符を飛ばしながらVOICEROID+の公式ページに行きました。
はい、ここでも発見しました、『対応OS:windows〜』の文字。
「畜生めぇぇー!」
「おっぱいぷるんぷるん!」
ここが日本ではないのをいいことに、そんな怒号を飛ばします。
「畜生めぇぇー!おっぱいぷるんぷ…」いいものを思い出しました。
そうだ!CeVIOがあるじゃないか!感情をスライドバーでコントロールできる、ただ一つの音声合成ソフトです。おっぱいぷるんぷるんの佐藤ささらちゃんが微笑みかけてくれるなら、ひんぬ…ゲフン、ゆかりんはなんとかゆみやまさんのコマンドー動画で我慢してやろうじゃないか!
CeVIO 公式サイト FAQ
Q. CeVIOはMacに対応していますか?
A. していません。現在対応する予定はありません。
現実は非情である。
人間は、強く生きなければならない。
私は、その日、学んだのだった。
結局、高機能な音声読み上げソフトの代用品はMacには存在しないというのが現状です。とはいえ、仮想環境でも結月ゆかりさんが起動したという報告も存在するので、できないことはないのでしょう。…その技術と、勇気と、資金力があれば。
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3.ゆっくりmoviemakerとの涙の別れ
すべての苦難を受け容れるのです。
赦せ、さすれば救われん!
ニャホ・ニャホ=タマクロー(嘘)
ようし、TRPGプレイもしたし、動画作っちゃうぞ〜。再生数なんて関係ねぇ!動画作って、自分がニヤニヤしたいんだ!
ようし、ゆっくり素材もセリフフレームも揃えたぞ〜。あとはゆっくりmoviemakerとAviUtlがあれば、動画なんて簡単に…。
Mac非対応の悪夢、再び。
くっ、殺せ!一思いに殺してくれ!
こんななぶり殺しみたいなのはやめてくれ!
4.紙芝居動画なんだし、紙芝居クリエーターあるじゃん?
→でもMac非対応じゃん?
5.紙芝居っていったら、もうこれっきゃないよね
そして私がたどり着いたのが、Microsoft Powerpoint。
ええ、間違っていませんよ。Powerpointです。パワポです、パワポ。
これが意外と優秀なんです。
もちろん、まばたきや口ぱくはやってくれませんが、動画として見るに堪えるレベルのものを、かなりの速さで作ることができます。もちろん、それは私が研究者時代にパワポ使いまくって、模式図の動画アニメーションとか作っていたからかもしれません。
そ・こ・で!
パワポを使った動画作りについて、私が動画をアップロードした後、このブログで手順を紹介していこうと思います。
ご用意いただくのはMicrosoft Poworpoint for mac、そしてyukkuroid。
…実はkeynoteの方が動画作りに適しているので、そちらを使っても問題ありません。パワポ編のあとに、そちらの解説もやろうと思います。
とにかく、やっていきましょう。
こんなに簡単にTRPG動画は作れる。
そう皆さんに伝えられればいいな、と思いながら。