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【クトゥルフ神話TRPGリプレイ】アンドロイドは名状しがたき夢を見るか?【part.09】

【前回のあらすじ】

猪瀬が言うには、疑惑の宗教組織、「血の結社」の代表である西田も失踪していた。衝撃の展開に、伏原は狂信者と疑っていた猪瀬との協力関係を築く。

その帰り道、奇怪な生物の襲撃を受けた伏原は、なんとか敵を払いのけ、逃走に成功する。いったい彼の周りで何が起こっているのだろうか?

 

 

KP「では、プレイ再開しましょう。家に帰って眠るところでしたよね?」

PL「それで、翌日の調査に入ります。」

KP「いやいや、まだ悪夢見てないでしょう?」

PL「チッ。」

KP「昨日と同じ悪夢に襲われますね。描写は省略します。SANチェックを0/1D3でお願いします。」

SANチェック失敗 減少値 1

PL「ついに減ってしまった…。」

 

 

朝のニュースが意味を持つ日

KP「では、朝ですね。朝と言ったら、どんな行動をしているんですか?」

PL「毎朝コーヒーをいれて、それを飲みながら朝刊を読んでいますよ。」

KP「ほう、新聞、読むんですね。」

PL「え?読みますよ、そりゃ。」

KP「では、あなたは一つの記事を目にすることになります。」

PL「うおっ、新聞イベントか。」

KP「その見出しはこうです。『新宿の宗教施設で火災』。」

PL「なんと!?」

 

新宿の宗教施設で火災

昨日深夜11時、新宿歌舞伎町の雑居ビルで、一棟が全焼する火災が発生した。火災が起きたのは、宗教法人「血の結社」が所有する3階建のビル。鎮火後の捜索によって、3人の遺体が発見されており、本日未明現在、身元を確認中とのこと。

警察関係者によると、現在、教団の代表を務める西田志垣氏に捜索願が出されており、宗教間の抗争が発生している恐れがあるとして、各宗教団体に警戒を呼びかけている。

 

KP「さあ、面白くなってまいりました。」

伏原「すぐに猪瀬に電話します!彼女が死んでしまったら、もう手がかりがない!」

KP「呼び出し音が耳元で響きます。1回、2回、3回…一つなるたびに不安が募ります。…が、5回目の呼び出しで、女性の声が応答します。どうやら猪瀬の声ですね。」

伏原「大丈夫ですか、猪瀬さん!」

猪瀬「ええ…私は大丈夫です。家に帰っていましたから。しかし、私以外の幹部が死んでしまったようです。西田の失踪も公表されてしまいましたし、私たちが集まって語り合うための施設も無くなってしまいました。信者さんの名簿も焼けてしまったので、もう連絡を取り合うことも…。」

伏原「なんてことだ…。警察が言うように、ただの事故火災とも思えません。何か心当たりがありませんか?」

猪瀬「いえ、私には何も。伏原さんの方は?昨日は、私より先に、事件に巻き込まれていたみたいな口ぶりでしたけど…。」

伏原「実は、昨日の帰り、奇妙な生物に襲撃されました。ひょっとしたら、この事件の鍵を握る生物かもしれません。その件も含めて、今日はやはり調査を行いましょう。」

猪瀬「調査と言っても、いったいどこを探せば…。いえ、一箇所だけありますね。西田の家に行きましょう。」

伏原「自宅ですか。なるほど。それなら何かわかるかもしれませんね。しかし、猪瀬さん。何か身を守るものを持っておいた方がいい。私が襲撃されたということは、あなたも襲撃されるかもしれない。」

猪瀬「わかりました。あなたの身も危ないというのに、ありがとうございます。自由が丘駅に、10時でいいですか?」

伏原「ええ、問題ありません。お気をつけて。」

 

 

西田志垣の自宅への侵入

KP「自由が丘駅に着くと、猪瀬は先についてあなたを待っていますね。心なしか、少し疲れているように見えます。」

伏原「猪瀬さん、心中お察ししますが、今は行きましょう。」

猪瀬「ええ、あまり落ち込んでもいられませんね。施設が焼ける前に、西田の自宅の住所を調べておいた甲斐がありました。こちらです。」

KP「しばらく繁華街を歩くと、辺りは住宅街に様変わりします。なかなか小洒落た家が並ぶうちの一軒、レンガのような壁をあしらった、いわゆるデザイナーズハウスのような家の前で、猪瀬は足を止めます。」

PL「宗教家は儲かってんなぁ。」

KP「宗教法人は税金かかりませんからね。節税の極みです。」

KP「さて、あなたが止める間もなく、猪瀬は呼び鈴を鳴らします。」

PL「え!?先に誰か来てたらどうすんの!?」

KP「さあ。しばらく待って応答がないと判断したのか、猪瀬は胸の高さの門の上から手を伸ばして、門の簡易な錠を外し、庭に入ります。」

伏原「猪瀬さん、気をつけて。誰かがすでに襲撃に来ているかもしれないんですから!」

猪瀬「だからこそ、呼び鈴を鳴らしたんですよ。一番当たり障りなく、中に人がいるかを確かめる方法ですから。相手がいれば、まさか呼び鈴を鳴らした人が今から侵入してくるとも思わないでしょうし。」

KP「そう言いながら、猪瀬は前庭を通り抜けて、家の裏手に回ろうとします。」

伏原「なるほどね。って、ちょっと、ちょっと、猪瀬さん!私が先に行きますよ!誰かいるかもしれないでしょ!」

猪瀬「…そうですか?そういうことならお願いします。」

伏原「勝手な人だなぁ。」

KP「あなたが先行して裏庭に回ると、猪瀬が足を止め、荷物を漁り始めます。」

伏原「今度はなんですか!?」

猪瀬「伏原さんはどうやって侵入するつもりだったんです?」

KP「そう言って取り出したのは、ガムテープとガラスハンマーですね。」

PL「ガラスハンマー?」

KP「正式名称は知らないんですが、車の窓ガラスなどを叩き割るためのハンマーです。」

PL「わお、物騒。」

KP「猪瀬は手袋をつけてから、大窓の鍵の部分を囲うようにガムテープを貼り付けると、ガラスハンマーでその中央を叩き、手を突っ込んで鍵を開けます。」

PL「ガチもんの窃盗犯の手並みですな。」

猪瀬「さて、行きましょう。」

KP「猪瀬は靴を履いたまま、部屋に上がりこみます。ここまでの動作には何のためらいも感じられません。」

PL「なんかやっぱり普通の人間とは違う感じがするんだよなぁ。」

KP「なんにせよ、鍵開け技能なしで侵入できたんです。探索を始めましょう。」

PL「うーん…。」

 

 

Part.10へつづく

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