【クトゥルフ神話TRPGリプレイ】アンドロイドは名状しがたき夢を見るか?【part.06】
【前回のあらすじ】
行方不明男性の自宅で、宗教団体「血の結社」に関する情報を得た伏原。
自宅で早速追加調査を行い、遅い眠りについたのだが、彼の意識はおぞましい空間の中で覚醒することになる。
チャウグナー・フォーンの悪夢
KP「あなたは立ち上る血の匂いの中、身動きを取ることができません。しばらくすると、あなたの目の前の黒い霧の中から、鼻の先端に楕円の渦巻きのような器官がついた象の鼻のようなものが現れます。」
PL「即死級のイベントである。」
KP「その鼻はゆっくりとあなたに向かって伸ばされ、鼻の先から滴る粘液までも、しっかりと認識することができるほど、目と鼻の先まで近づいてきます。その鼻は、ゆっくりとあなたの頭を覆いはじめ、あなたの頬に不愉快な生ぬるい粘膜がひたりと密着します。」
PL「ぎゃぁぁぁっ」
KP「…と、いったところで、あなたは恐怖から目を覚まします。全身に汗をかき、夢のイメージがあなたには鮮明に残っていることでしょう。0/1D3のSANチェックです。」
SANチェック→成功 減少なし
PL「こいつが鋼メンタルでよかった…。」
新興宗教の伝道師 猪瀬奈々
KP「さて、すっかり朝になりました。9時頃ですかね。どうしますか?」
PL「予定通りあの子に連絡を取って、猪瀬奈々に接触してもらいます。でも、まずは接触前の打ち合わせです。信仰の内容を直接説明してもらって、それから、彼がいなくなって、変な儀式をしているんじゃないかと心配していた、と言って揺さぶってもらいましょう。それから、相手の出方を見れば何かわかるでしょう。」
KP(自分でいかない、か。PLの悪い癖が出たな…。)
KP「では、事前に赤坂で打ち合わせて、その場で猪瀬に連絡を取って、新宿西口側からしばらく行った先にある喫茶店でのアポイントメントをとることができたようです。」
PL「ちなみに、伏原自身は、近くの席から〈聞き耳〉で話を聞くことにします。」
KP「了解です。しかし、新宿でのアポイントなので、相手が先にいるかもしれませんね。」
PL「5分ほどしてから遅れて入店します。」
KP「なるほど。あなたが入店すると、先の女性と、可愛らしい格好をした若い女性が話していますね。ビジュアルも決まっていますよ。」
KP「ええと、APP16の容姿に、身長は158くらい。白いブラウスに淡いピンクのカーディガンを羽織って、下は膝丈のフレアスカートですね。肩までの黒髪を内巻きにして小顔効果を狙っています。」
PL「かわいい。」
KP「そりゃかわいいですよ。ここで近くの席が取れたかどうか、〈幸運〉を振ってもらってもいいですか?」
〈幸運〉ロール→成功
PL「危なかった。」
KP「では、幸いにして近くの席を違和感なくとることに成功しました。次に〈聞き耳〉ロールを2回お願いします。」
〈聞き耳〉ロール→失敗
KP「他の客の話し声も大きく、話の内容をうまく聞き取ることができませんね。」
PL「後半さえ聞き取れれば、ここはまぁ。」
〈聞き耳〉ロール→成功
KP「では、彼女たちは以下のようなやりとりをしています。」
猪瀬奈々と女性スタッフの会話
猪瀬「ええ、たしかに、私たちは『心臓の血液』という名前の儀礼を行っていますよ。」
女性「それなら!やっぱりあなたたちは彼を殺して、生贄にしたんですか!?」
猪瀬「いいえ、私たちが行っているのは、あくまでイミテーションです。」
女性「でも、確かに彼と連絡が取れなくなってしまっているんです。」
猪瀬「それには別の理由があるんでしょう。その理由を知るためにも、今から私たちの集会場にいらっしゃってみてはどうですか?」
女性「いえ、わたしは、参加するつもりはありません。」
猪瀬「まあそう言わず。あなたの苛立ちも、きちんと方向づけてあげないと、人生を無駄にしてしまいますよ。」
PL「雲行きがあやしいね。」
KP「この女性は交渉系技能を持っていないので、特に揺さぶりをかけられません。猪瀬相手にはやや力不足と言わざるを得ませんね。あと、ここで猪瀬の〈説得〉ロールです。」
PL「成功したら?」
KP「彼女は連れて行かれますよ。」
〈説得〉ロール→失敗
PL「あっぶねぇ!」
KP「チッ。では、猪瀬は諦めて名刺を置いて、帰っていきますね。」
伏原「ありがとう、お疲れ様。」
女性「あまり聞き出すことができず申し訳ありませんでした。」
伏原「いや、彼女はさすがは宗教家だ。話し方がプロのそれだったよ。連れて行かれなかっただけでも見事と言うべきだね。わたしが敵を甘くみすぎていた。」
女性「…申し訳ありません。」
伏原「どうだい?ここはわたしが自らその集会場とやらに赴こうと思うんだけど、君も来てくれるかな?」
女性「いえ、わたしは…もう、休ませてもらってもいいですか?」
KP「連れて行きたければ、〈説得〉ロールをお願いします。」
PL「〈説得〉には振ってない…。」
〈説得〉ロール→失敗
KP「では、彼女はそのまま家に帰って休養をとるようですね。むしろ昨日のショックからよくここまで立ち直った、というところでしょう。」
PL「うわーっ、単独突入はいやだー。まだ情報が揃ってないけど、もうそこに行く以外に策がない。」
KP「ご安心ください、まだシナリオは序盤です。起承転結の承がはじまったあたりかな。」
PL「え!?マジで!?たしかに、全然アンドロイドとの繋がりが見えてこないし、そんなもんかな。じゃあ、死なないよね?」
KP「戦闘技能もあるんだし、何かあれば逃げられるでしょ?」
PL「そのいやな笑顔やめてくれません?死ぬ気しかしないんですけど。」
KP「それで、突入するのかな?」
PL「それっきゃないでしょう。行きますよ、新宿歌舞伎町裏の雑居ビル群。」
KP「では、現在時刻は午後4時半。雑居ビルへ向かいましょう。到着は5時ということでいいかな?*1」
PL「いいだろう、どんとこい、俺が薙ぎ倒してやる。」
*1:時間が経過しているが、この間に、彼は一度大岡山に行って、学生にインタビューを行っている。重要な情報を得られなかったので、ここでは省略した。