【クトゥルフ神話TRPGリプレイ】アンドロイドは名状しがたき夢を見るか?【part.04】
【前回のあらすじ】
超高性能アンドロイドミーミルの取材を終えた伏原たちが研究室を出ると、どこからともなく羽音のような音が聞こえる。
辺りを見渡した一瞬の隙に、伏原の隣にいたはずの絹川が忽然と姿を消す。いよいよ宇宙的恐怖の幕が開けようとしていた。
失踪者の捜索を依頼される
KP「次のスタジオ撮影があるという設定ですか?」
PL「はい。ただ、今日の撮影を最後に、4日ほどオフの予定です。」
KP「探索スケジュールは開けてある、と。」
PL「そうじゃないと困るでしょ?」
KP「まあ、たしかに。それでは。スタジオ撮影が終わったところで、相談を持ちかけられます。」
PL「いよいよ始まるってところですね。」
女性「すみません伏原さん。こういったことをお願いしてもいいものかわからないのですが…。」
伏原「ん?なんでも気にせず頼んでくれていいんだよ。」
女性「いえ、先ほど、スタッフたちが伏原さんとのロケ中に絹川さんが急に姿を消した、と噂しているのを聞いて、ひょっとしたら、と思いまして…。」
伏原「何か思い当たる節があるということか。ここで他の人に聞かれるといけない。ちょっと楽屋で話すことにしましょう。」
KP「女性は了解して、楽屋に移動しました。」
伏原「それで、いったいどういうった情報があるんだい?」
女性「いえ、最近、私の身近に、失踪者が出たんです。同じように、突然連絡が取れなくなってしまって。」
伏原「なるほど。関連性がありそうということは、何か事件性が感じられる、ということかな。」
女性「ええ、そうなんです。彼の様子が最近少しおかしかったというか、どう言ったらいいのかわからないんですけど、それで悩んでいたら、急にふっといなくなってしまったんです。」
伏原「うむ…。」
女性「それで、伏原さんにも一緒に、彼の部屋を調べてもらえないかな、と思いまして。調べに行こうとは思っていたのですが、どうしても怖くて、今まで行けずにいたんです。」
伏原「そういうことなら、明日からオフだからね。この中国拳法の達人である伏原、不肖ながらお供させていただきますよ。」
女性「ありがとうございます!」
PL「ちなみに、この女性のAPPはいくつですか?」
KP(ダイス)「11みたいですね。」
PL「断っても良かったかな。」
KP「おい。」
失踪した男の家
KP「というわけで、男の家に行きましょう。手間なので、この女性の恋人ということにして、合鍵を持っていた体にしましょう。こんなところに時間をかけるより、このシナリオは他のところに時間をかけたほうがいいと思うので。」
PL「鍵開け技能も持っていないので、かえって助かります。」
KP「小さめのアパートですね。おそらくワンルームでしょう。女性が鍵穴に鍵を通してひねると、カタン、と、鍵の開く音が暗い廊下に響きます。」
女性「伏原さん。わたし、怖いので、開けてもらえますか?」
伏原「任せてくれたまえ。」室内に〈聞き耳〉を使います。
〈聞き耳〉ロール→失敗
KP「通りの車の音で中の音を聞くことはできませんね。」
PL「まあ、こんな序盤で扉が爆発することなんてないでしょう。」
KP「パラノイアじゃないからね。」
伏原 扉を開けます。
KP「中は暗いのですが、外の明かりが差し込んで、薄ぼんやりと廊下兼キッチンが見えています。左手に電灯のスイッチがありますね。」
PL「特に血の匂いとかはしないんですよね?照明をつけます。」
KP「血の匂いはしませんよ。照明がキッチンを照らします。あなたはすぐに気がつきます。中はまるで誰も住んでいないかのように、すっからかんです。調理器具や食器類はもちろん、冷蔵庫すらありません。」
KP「そして、電灯を点けたあなたは、キッチンとリビングの間の扉と思われる扉に、奇妙な図像が書かれた張り紙がしてあるのを見つけます。三つのYの字を向かい合わせて、目のような記号を囲んだ図像ですね。あなたはそこから強烈な視線を感じます。」
PL「屋敷のシナリオで教会の門に刻まれているやつ?」
KP「そうです。」
PL「なるほど、誰か見ていると考えていいね。伏原はそんな視線気のせいだと思って無視するけど。」
伏原「冷蔵庫がないよ?鍵があったってことは、この家なんだろうけど、本当に彼は住んでいたのかい?」
女性「ええ、間違いなく住んでいました。どうしてこんな!」
〈心理学〉ロール→??
KP「女性が本当に動揺しきっている様子だということがわかります。」
伏原「うーん、洗面所のほうを見てみよう。」
KP「ここにも、物がほとんどありませんね。わずかに髪の毛が落ちているのと、水垢が残っていて、人が住んでいたようだということがわかります。」
伏原「リビングも見てみようか。この張り紙も気になるけど。」
女性「なんだか見られているみたいで気持ち悪いですね。」
〈心理学〉ロール→??
KP「女性は心から気味悪がっているようです。」
PL「この女性は白という前提で進めていこう。」
KP「ふ〜ん。」
PL「じゃあこの女性の名前は?」
KP「え?決めてないよ?」
PL「白じゃねぇか。」
KP「KPに心理学ロールを振ることはできないからね。」
PL「とにかく、リビングに入りますよ。疑心暗鬼戦略にはかからないからな。」
KP「リビングに入って照明をつけると、部屋はやはりがらんどうとしています。しかし、部屋の中央に、段ボール箱が二つ並べられていて、その上にメモが置かれていますね。」
伏原 手にとって読んでみます。
私にも、ついに偉大なる神の導きが訪れる時が来た。私は今日、ついに神と合一し、この混沌とした世界の本当の姿を見ることができるのだ。
これに勝る幸福などあるだろうか?ああ、私は待ちきれない。
イア!イア!チャウグナー・フォーン!
より多くの人に神の導きがあらんことを!