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TRPGをやりたい!

TRPGのトビラをひらこう!

群馬県大間々の鬼子伝承を基にしたシナリオの執筆

シナリオソース シナリオライティング

セッションができないせいで、シナリオライティングばかりが捗るわたしです。

今日も相対性理論(バンド)の音楽を聴きながら、万単位で文字を書く、そんな日々。

 

さて、先日山梨県の夜叉神峠について調べていたことからも分かる様に、このところ日本の伝承を調べておりました。

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その結果、一つ分のシナリオが書けるくらいの情報が集まったので、執筆を開始しました。舞台は群馬県大間々(現在のみどり市)です。行ったこともない土地なのですが、この地域には興味深い伝承と、神社、信仰が揃っています。ここまで調べれば、書かずにはおれないでしょう。

 

1.鬼子伝承

はじめ大間々に注目したのは、鬼子伝承を調べていた時です。

『鬼子』とは、日本全国に伝わる伝承で、生まれつき歯が生えた子供のことを言います。生まれつき歯が生えた子供は、いずれ人を食う鬼になるとかなんとか、適当なことを言われて、その場で殴り殺されたり、特定の場所に放置されたりしました。また、出産と同時に母親が亡くなってしまうという伝承もあります。

『鬼子』は、生まれつき3歳児ほどの体格をしていると言われ、人語を解する場合もあるそうです。また、妊娠期間が3年、という説も見受けられ、とにかく『3』という数字が密接に関わります。

研究によれば、日本の中世以降の信仰で、古代にはこれに類する風習は存在しなかったそうです。『鬼子』は「山」と「あの世」を結びつける思想とも関わっており、「死」あるいは「再誕生」の観念とも密接に関わる習俗です。

なんにせよ、『忌み子』のことを『鬼子』と言ったらしく、その異聞を含めれば伝承は実に多岐に渡る、ということさえお分かりいただければ問題ありません。

 

その多様性ゆえ、『鬼子』伝承はシナリオの構築に極めて使い勝手のいい伝承なのです。

 

 

2.大間々の特異性

つまり、『鬼子』は日本各地に様々なヴァリエーションを持っています。何も大間々にこだわる理由はありません。ではなぜ、大間々なのか。

第一の理由は、群馬をはじめ上野国には妖怪「オサキ」の伝承が残っているからです。いわゆる「憑き物筋」と呼ばれる、忌み家系という差別の問題を扱うことができます(妖怪「オサキ」については、今度整理します)。

第二の理由は、木ノ宮神社の存在です。大間から北に川を遡った先に、木ノ宮神社という、ほとんど放棄されたような神社があります。しかし、この神社の造は非常に精巧で、珍しい技術が使われていると説明されています。つまり、かつては非常に重要だった神様を祭っていたにもかかわらず、市街地から遠いために放棄された森の神が存在するのです。

第三の理由は、市街地と木ノ宮神社の中間に位置する、十二神社の存在です。十二様とは、日本古来の山の神のことを指します。その信仰があまりに古いため、なぜ山の神のことを十二様と呼ぶのかは諸説あって不明ですが、とにかく、非常に古い信仰の地であったことがわかります。

 

これだけの要素が整ったなら、これらの要素を集めて、一つのシナリオを組んでみたいではありませんか。というか、こんな土地に神話的事件が発生していない方が不思議です。起きていないなら、シナリオライターが事件を引き起こしてやればいいんです(空想で)。

 

 

3.結果として生まれつつあるシナリオ

このところ勉強した成果を反映するために、今回のシナリオは、対決型シナリオを避けています。つまり、『悪意』が存在しません。その点では、1950年代アメリカンホラーは役立てられていませんが、Jホラーと日本神話の特徴あたりの話は反映していくつもりです。

実際、クトゥルフ神話としてはかなり異例のシナリオになりつつあるような気がしています。なんというか、『ゆうやけこやけ』を少しホラーにした感じというか、そういうシナリオになりそうです。もちろん、神話生物も登場しますし、その眷属なんてボンボン出てくるので、発狂は避けられなさそうという点では、やっぱりクトゥルフなんですけど…。

 

いずれにしても、今日は1日かけてそのシナリオを書き上げる予定です(平日にそんなことをしていると、無職だとばれますが)。今夜か明日の早朝までにアップロードの報告ができると思います。乞うご期待。

 

「鬼子」論序説―その民俗文化史的考察

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