連続セッションをやりました
徹夜での連続セッションを終えました。
使ったシナリオは、すべてオリジナルシナリオ。キャンペーンとして連作にして、冒険者たちが一人前になるまでのプロセスを描いた作品になっています。
プレイしてみての反省をまずは幾つか。
1.ショートシナリオはやっぱり選択肢が少ない
1シナリオ3時間を目標に設計されたシナリオだけを連続でこなしたので、それがもつ性質がよく理解できました。正解とか黒幕に至るための情報の糸をほとんど直接的に出しておかなければならない都合、一種の「判定ゲー」としてパッケージングする他ありません。つまり、ここでこのフラグを回収するのがベストエンド条件で、その展開に進むためにはここでこの判定に成功しなければならなくて・・・と言う具合に、場所と判定、そして分岐のセットを配置していく構造が基本になります。
こうなると、その経路上で「どうしたらいいのかわからない」という事態に悩む場面が作れません。
以前つくったルテティア商会闘争というシナリオでは、「どう考えても制御できない政治的争いの流れ」の前に、プレイヤーたちは全力で頭を悩ませました。どうにかして問題を克服しなければならないと、完全にオープンワールドの世界の中で、「何をやってもいい」状況が、彼らにとって最良のゲームとして展開されたと思っています。
しかし、ショートシナリオではそうはいきません。3時間以内に終わるためには、ゲームはコンパクトに、誰でも解決できるように設計されていなければなりません。これではTRPGの面白みが明らかに減じてしまいます。ぐぬぬ。
2.物語とゲーム性のバランス
「TRPGの面白み」と言いましたが、それはまず、持ちうる手駒と資源を駆使して、最良の選択肢を選ぶという思考ゲームにあると考えています。しかし、そうした努力をしようと思うだけの理由と背景、そして何より、どのような状態を理想と考えるかという、目標設定をPLたちに行わせるためにも、ストーリーが必要になります。
例を出しましょう。
昨日のセッションで使われたシナリオに、開拓団を原住民のケンタウロスたちが強襲するという事件を扱ったシナリオがありました。このシナリオのエンディングとしては、まずケンタウロスを駆逐するという選択肢と、ケンタウロスと協調するという選択肢、そして開拓団を駆逐するという選択肢までも用意してありました。プレイヤーたちの行動次第では、様々な話を聞くことができ、理想的な世界像は変化したことでしょう。
そして、目標を変化させた場合、つまり開拓活動を阻止したり、協調策を考案したりし始めた瞬間に、使える選択肢としての『戦闘』は悪手に変わります。そう、あくまで『戦闘』は一つの手段であって、他の手段によって事態を変化させることは大いにありだと思うのです。
しかし、ショートシナリオでは、そうした『目標の変更』に至るだけの理解と感情移入の可能性を組み込むことができません。プレイヤーたちもショートシナリオとわかってプレイする以上、シナリオを「消化する」スタイルになってしまいがちです。これでは、TRPGをむしろつまらなくさせてしまうのではないかと、嘆息させられてしまいます。
3.解決手段
こうした課題を解決する方法は?
答えは簡単です。シナリオにもっと工夫を凝らせばいいのです。
まだまだ書き始めたばかりですから、未熟なものは仕方ありません。今回のキャンペーンに向けて7つのシナリオを書きましたが、そのうち自分で自信を持って面白いと言えるシナリオは、1つだけかもしれません。こういう能力不足を補って、もっと魅力的なシナリオを書けるよう、努力が必要でしょう。